概要情報
事件名 |
シンガポール航空 |
事件番号 |
東京地労委 昭和52年(不)第40号
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申立人 |
シンガポール航空労働組合 |
被申立人 |
シンガポール・エアラインズ・リミテッド |
命令年月日 |
昭和53年 8月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
委員長の解雇撤回闘争等のためのビラ貼付に対し他社割引切符の発行中止、年末一時金の支給遅延・春闘回答の引き延ばしを行ったこと及び裁判所証人に対する管理職の言動が争われた事件で、ビラ貼付を理由とする他社割引切符の発行停止、春闘回答の引延ばし等による支配介入の禁止と文書の交付を命じ、年末一時金の支払い遅延、X1証人に対する課長の言動についての申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、①組合のビラ貼付を理由に、他社割引切符の発行を停止し、春闘回答を引き延ばし、また、②裁判所の証人となった組合員に対し管理職が威迫的言動をするなどして申立人組合の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人組合に対して、本命令書受領の日から1週間以内に下記文書を交付しなければならない。 記 昭和 年 月 日 シンガポール航空労働組合 執行委員長 X2 殿 シンガポール・エアラインズ・リミテッド 日本における代表者 Y1
当社が、①貴組合のビラ貼付を理由に、他社割引切符の発行停止および春闘回答の引き延ばしをしたこと②裁判所の証人となった組合員に対し管理職が威迫的言動をしたことは不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。 今後、このようなことを繰り返さないよう留意します。 (注、年、月、日は交付の日を記載すること。) 3 被申立人は、前項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。 4 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
委員長解雇闘争におけるビラ貼付が正当な組合活動の範囲を逸脱したものとは認められないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
組合長解雇に関する裁判所に証人として出頭する予定の組合員X1に対してなした課長の言動がその発言の状況内容等からみて支配介入ではないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
組合長解雇に関する裁判所において証言した組合員X1に対する支配人の言動は、発言の時期および同人の地位等からみて支配介入とされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
3020 組合活動への制約
ビラ撤去を条件に妥結した年末一時金について、組合が委員長の解雇問題についてのビラを新たに貼付したことを理由に支払いを遅延した会社の行為が会社と組合との相互の認識のそごの結果発生した事態であり、直ちにこれをもって不当労働行為とはいえないとされた例。
2802 福利厚生資金に関する寄付・貸付等
組合のビラ貼付に対抗して行った一定の資格を有する従業員に付与されている他社割引切符の一方的発行停止、既発行分の取り上げ等が不当労働行為とされた例。
3102 争議対抗手段
ビラ貼付を理由に春闘の回答引き延ばしを図ったことが不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
航空運輸業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集64集167頁 |
評釈等情報 |
 
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