労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  バンク・オブ・インディア 
事件番号  東京地労委 昭和52年(不)第9号 
申立人  外国銀行外国商社労働組合 
被申立人  バンク・オブ・インディア 
命令年月日  昭和53年 5月23日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  「1978年度賃金、諸手当等要求の交渉方式要求」について団体交渉を申入れたのに対して、銀行側が、交渉方式については既に慣行があること、賃金等に関する要求がまだ出されていないこと等を理由に団交を拒否した事件で、慣行等を理由とする団交拒否の禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人バンク・オブ・インディアは、申立人外国銀行外国商社労働組合が昭和52年8月16日付文書で8月17日に申し入れた団体交渉を、ア 統一交渉方式が慣行であること、イ 信頼関係が回復されていないこと、ウ 銀行側からの団体交渉申し入れに組合側も応じなかったこと、エ 53年度団体交渉申し入れは団体交渉拒否の外形づくりだけのものであること、オ 53年度の賃金等に関する要求がまだ出されていないことを理由に、これを拒否してはならない。
2 被申立人は、本命令受領の日から1週間以内に55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に、下記の内容を楷書で明瞭に墨書して、被申立人銀行東京営業所および大阪営業所の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。
               記
                    昭和 年 月 日
 外国銀行外国商社労働組合
  中央執行委員長 X1 殿
     バンク・オブ・インディア
     日本における代表者
      Y1
 当銀行が、外国銀行外国商社労働組合の「1978年度賃金・諸手当等要求の交渉方式要求についての団体交渉」申し入れに対し、ア 統一交渉方式が慣行であること、イ 信頼関係が回復されていないこと、ウ 銀行側からの団体交渉申し入れに組合側も応じなかったこと、エ 53年度団体交渉申し入れは団体交渉拒否の外形づくりだけのものであること、オ 53年度の賃金等に関する要求がまだ出されていないことを理由に団体交渉を拒否したことは、不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。
 今後このような行為を繰り返さないよう留意いたします。
(注・年月日は文書を掲示した日を記載すること) 
判定の要旨  2211 団交ルールの先議
2221 集団・統一交渉
統一交渉方式が慣行であったとしても、47年8月以降今日まで5年余にわたり統一交渉は銀行側が交渉開催条件に固執したため開かれていない等の事由により、すでに失われたものと見るべきであり、申立組合は銀行に対して固有の団体交渉権を有するのであるから、労使慣行を理由とする団体交渉拒否は正当な理由とは認められない。

5124 その他の審査手続
77予備交渉の救済申立てを取下げ、78予備交渉の団交命令及び77予備交渉の団交拒否についてのポスト・ノーティスを求める申立てに追加変更したことは、主要な部分について共通するものであり、申立内容の拡張ともいうべきもので、従来の申立てと全く関係のない別個独立の申立てを追加するものではない。

2244 特定条件の固執
組合側が応諾しないと思われるような条件を追加し、その拒否を理由に団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。

2235 その他組合の態度
組合が矢継ぎ早に団交を申し入れ、それぞれの回答も短期限で求めたことが、団交拒否の外形を作り出すためだけのものでないとして団交拒否したことが不当労働行為とされた例。

2216 その他
53年度の賃金等に関する要求がまだ提出されていない段階では、予備交渉をすることは無意味であるとして団交拒否したことが不当労働行為とされた例。

業種・規模  金融業、保険業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集63集423頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和53年(不再)第27号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和53年12月25日 決定 
 
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