概要情報
事件名 |
日立工機 |
事件番号 |
茨城地労委昭和50年(不)第7号
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申立人 |
X1 |
申立人 |
X2 |
被申立人 |
日立工機 株式会社 |
命令年月日 |
昭和52年 4月 4日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
執行部に批判的な組合員2名に遠隔地配転を命じ、これを拒否したことを理由に懲戒解雇した事件で、配転命令及び懲戒解雇の取消し、原職復帰、バック・ペイを命じた。 |
命令主文 |
被申立人は、申立人X1及び同X2に対する昭和50年 5月15日付配転命令を取消すと共に、同年 6月20日付懲戒解雇を取消し、X1を佐和工場内の原職相当職に、X2を勝田工場の原職相当職に勤務させなければならない。また、被申立人は、同人らに対し、解雇の日の翌日から工場勤務する日までの賃金相当額を支払わなければならない。 |
判定の要旨 |
1102 業務命令違反
腰痛が完治したかどうか疑問のある反執行部派組合員X2をこの時期に東京勤務させなければならない必要性が顕著であったとは判断できず、また、X2の組合活動に対する会社の態度、加えて組合員X1と一体となって地労委救済申立に関する活動を続けてきたという事実からみて、X1と同日付で東京勤務を命じ、同日解雇に処したのは両名の地労委救済申立に関する活動を一体とみてなされたものと判断され、地労委救済申立の維持に重大な支障を来すこと、家庭生活上の不利益等から、本件配転命令及びその拒否を理由とする解雇はいずれも7条1、4号に該当する不当労働行為である。
1102 業務命令違反
3300 不当労働行為とされた例
執行部に批判的で独自の組合活動を展開していたX1に対する遠隔地配転命令は、業務上の必要性が認められず、かつ別件不当労働行為救済申立手続上支障があることから労委がなした「配転実施の保留」についての実効確保の勧告を無視し、配転拒否を理由に同人を懲戒解雇したことは、いずれも7条1、4号に該当する不当労働行為である。
0200 宣伝活動
執行部批判派組合員らによる、希望退職者募集反対運動や情宣活動等が正当な組合活動とされた例。
3300 不当労働行為とされた例
執行部批判派組合員X2を配転命令拒否を理由に懲戒解雇したことが地労委救済申立に関する同人の活動を嫌悪してなしたものとされた例。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集61集325頁 |
評釈等情報 |
 
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