概要情報
事件名 |
東京流機製造 |
事件番号 |
神奈川地労委昭和51年(不)第11号
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申立人 |
総評全国金属労働組合神奈川地方本部東京流機支部 |
申立人 |
総評全国金属労働組合神奈川地方本部 |
申立人 |
X1 X2 |
被申立人 |
東京流機製造 株式会社 |
命令年月日 |
昭和52年 3月 4日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組合が行った指名ストが違法であるとして、現・前組合委員長2名を懲戒解雇に付した事件で、原職復帰、バック・ペイ及びポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人X1および同X2に対し、次の措置を含め昭和51年 5月26日付けの懲戒解雇処分がなかったと同様の状態に回復させなければならない。 (1) 原職又は原職相当職に復帰させること。 (2) 昭和51年 5月26日以降原職復帰までの間同人等に支払われるべき賃金相当額を支払うこと。 2. 被申立人東京流機製造株式会社は、縦1メートル、横2メートル以上の木板に下記のとおり明記し、被申立人会社の本社(横浜工場)正面入口附近の見易い場所に毀損することなく14日間これを掲示しなければならない。 記 総評全国金属労働組合神奈川地方本部 執行委員長 X3 殿 総評全国金属労働組合神奈川地方本部東京流機支部 執行委員長 X1 殿 同上支部 組合員 X1 殿 同上支部 組合員 X2 殿 会社は昭和51年5月26日、貴組合員X1および同X2の両氏を懲戒解雇処分に付しましたが、同懲戒解雇は会社が両氏の組合活動を嫌悪し、両氏を企業外に排除することによって貴組合の弱体化を目論み、且つ貴組合が昭和51年2月12日、神奈川県地方労働委員会に対し不当労働行為救申立てをなし、上記両氏が中心となってその審問遂行に当たったことに対する報復的意図のもとに行われたものであり、労働組合法第7条に違反する不当労働行為である旨、今般上記労働委員会によって認定されました。 よって会社はここに陳謝の意を表し、X1、X2両氏に対する懲戒解雇処分を取消して両氏の原職復帰を図るとともに、将来かかる違法行為を繰り返さないことを誓約致します。 昭和 年 月 日 東京流機製造株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
指名ストの正不当性について、組合がスト通告を行うに際し、ほとんどのスト通告書に目的を明示せず、又は「組合用務のため」とのみしか記載されていなかったとしても、就業時間中の組合活動に関する協約がなく、また会社がそれを認めない状況にあり、さらに全指名ストにつき違法性の認識を持つことなくこれを容認していたことから、それ以上に個々の指名ストの正不当性を追求することは不必要である。
0410 目的・手続き
不当労働行為撤回を要求するストが争議目的において正当であるとされた例。
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
組合役員2名の指名ストが正当な争議行為とされた例。
0421 幹部責任
支部が行った指名ストが違法であるとして現及び前執行委員長を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。
3300 不当労働行為とされた例
支部が行った指名ストが違法であるとして現及び前執行委員長を懲戒解雇したことが7条4号に該当する不当労働行為とされた例。
3500 処分の時期
別件審問が終了し、命令を発するまでの中間的時期を選んで支部の中心メンバーである現及び前執行委員長を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集61集218頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和52年 7月10日 950号(28巻17号) 15頁 
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