労働委員会命令データベース

[命令一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  佐野安船渠 
事件番号  中労委昭和50年(不再)第5号 
再審査申立人  佐野安船渠 株式会社 
再審査被申立人  総評全日本造船機械労働組合佐野安船渠分会 
再審査被申立人  日本労働組合総評議会全日本造船機械労働組合 
命令年月日  昭和51年 8月 4日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  社員研修会における上部組合離脱を示唆した言動、下級職制を中心とする反上部団体派グループによる年末一時金闘争中の執行部退陣要求等の署名運動をめぐる事件で、いずれも支配介入であるとしてポスト・ノーティスを命じた初審命令を支持したが、ポスト・ノーティスの文言の一部を変更した。 
命令主文  1 初審命令主文第1項の記を次のとおり改める。
                記
1 昭和46年7月中旬から昭和47年3月下旬にかけて、当社の業務として行った生産性向上研修会において、貴分会員に対して、分会が全造船路線から離脱するよう示唆する研修を行ったこと
2 昭和46年年末一時金交渉中における署名運動並びに昭和47年7月から同年11月にかけて行われた刷新統一同志会への加入署名運動及び分会執行部退陣要求署名運動について、当社の管理職をして、これら運動の促進を図らせるなどをしたこと及び下級職制がこれら運動を推進した行為を黙認利用したこと
2 その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3011 従業員教育
 会社主催の社員研修会は、社長、各部長、厚生課長等により、また研修内容が分会と分会員の今後とるべき方向すなわち上部団体路線から離脱すすよう示唆したものと認められるところ、同研修会は業務の一環として受講者は自由を拘束され、一方的な講義方式が中心であること等からして、本件研修会は上部団体を嫌悪した会社が分会員に対し分会が上部団体路線から離脱するよう示唆する教育を行ったものである。

2610 職制上の地位にある者の言動
3106 その他の行為
3410 職制上の地位にある者の言動
 スト反対、分会執行部の退陣要求等一連の署名運動はいずれも下級職制が発起人又は推進の中心的役割を果し、部下に署名を強要したことが認められるところ、会社が十分にこれらを承知していたにもかかわらず、分会の抗議を受けてもこれらを実際に制止するための効果的な措置を何ひとつ行っていないこと等から、会社はこれらの行為を黙認利用したものとして不当労働行為の責任から逸れえない。

業種・規模  輸送用機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集59集394頁 
評釈等情報  労働判例 1976年11月15日  259号 62頁 

[先頭に戻る]

顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委昭和47年(不)第81号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和49年12月27日 決定