概要情報
事件名 |
朝日放送 |
事件番号 |
中労委昭和49年(不再)第42号
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再審査申立人 |
朝日放送 株式会社 |
再審査被申立人 |
朝日放送労働組合 |
命令年月日 |
昭和51年 5月19日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
組合員3名を副参事に昇格させなかったこと、資格制度を利用して組合脱退勧奨をしたことをめぐる事件で、遡って昇格させること、法定利率による金員相当分を含むバックペイ、陳謝文の手交を命じた初審救済命令のうち、バックペイの算定基準を変更したほかは、再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1. 本件初審命令文第1項後段を次のとおり変更する。 上記賃金相当額中、X1については昭和48年度、X2、X3については昭和48、49年両年度の定期昇給及び賞与中の査定にかかわる部分については、副参事として再査定のうえそれぞれ措置しなければならない。 2. その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
組合活動家X1ら3名は、その年令、学歴、勤務年数からみて副参事への昇格が遅れていることについて会社のあげる理由にはいずれも合理性がなく、また勤務状況が悪い等のことも他の者との比較において明らかでなく、日頃の会社職制の言動から、会社は組合脱退を副参事昇格への「踏み絵」としていたと推認され、さらに、会社が同人らの組合活動を嫌悪していたと認められること等から、本件昇格差別は不当労働行為である。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
現行救済制度は、出来うる限り不当労働行為がなかった状態を回復するという制度の趣旨からみて、本件のように昇格が遅れていることが不当労働行為とされる場合、現時点において救済するとすれば、賃金相当額に年5分程度のものを含めて命ずることは、労委の裁量の範囲内にあるものと考えられる。
4415 賃金是正を命じた例
昇格差別の是正にともなう定昇、賞与の査定是正について一律に副参事に昇格した者の査定平均値によって措置するよう命じた初審命令を、それぞれ副参事として再査定するよう変更した例。
5008 その他
副参事へ昇格させなかったことが不当労働行為である場合、その職へ昇格させるよう命ずることは労委の裁量権の範囲内のことで適切妥当な救済であるとされた例。
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業種・規模 |
放送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集765頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和51年12月10日 932号 (27巻32号) 24頁 
労働判例 1976年 9月 1日 254号 70頁 
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