概要情報
事件名 |
南海放送 |
事件番号 |
愛媛地労委昭和48年(不)第13号
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申立人 |
民放労連 中四国地方連合会 |
申立人 |
民放労連 南海放送労働組合 |
被申立人 |
南海放送 株式会社 |
命令年月日 |
昭和51年 5月24日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合役員等6名に対し、昇給・一時金について低位に査定したり、昇格させず、選挙報道関係業務従業者に対してのみ特別手当を支給したことをめぐる事件で、昇給、昇格、一時金の是正、バックペイ、命令の履行状況報告を命じ、特別手当の支給、陳謝文の掲示については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、昭和48年昇格時をもってX1及びX2を副部長待遇の、X3、X4、X5を主事の各昇格発令があったものとして取扱い、昇格に伴う下記第2項及び第4項を含む諸待遇を同処遇、同位の者と同様に取扱い、各人が現に受けた待遇との差額を支払わなければならない。 2. 被申立人は、昭和48年度、同49年度基本給の決定について、X6、X1、X2、X3、X4及びX5の6名に対し、各人と同処遇、同位の者のうけた査定の最多数分布のランクにより査定したものとして再計算し、その支給額と現に受けた額との差額を支払わなければならない。 3. 被申立人は、昭和47年年末一時金の査定について、X6、X1、X2、X3、X4及びX5の6名に対し、各人と同処遇、同位の者のうけた査定の最多数分布のランクにより査定したものとして再計算し、その支給額と現に受けた額との差額を支払わなければならない。 4. 被申立人は、昭和48年夏季一時金及び年末一時金、同49年夏季一時金及び年末一時金の支給について、X6、X1、X2、X3、X4及びX5の6名に対し、各人と同処遇、同位の者のうけた査定の最多数分布のランクにより査定したものとして再計算し、その支給額と現に受けた額との差額を支払わなければならない。 5. 被申立人は、命令到達後30日以内に上記第1項ないし第4項の履行状況を、疎明資料を添付して当委員会に報告しなければならない。 6. 申立人らの昭和47年10月24日以前にかかる救済申立ては、これを却下する。 7. 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
組合員6名に対する基本給および一時金の査定が平均を下まわり低位に査定されていることについて、会社は、査定の方法基準を組合に明らかにしないばかりか本件審査においても、査定に関する公正さについての疎明も資料も示さないこと、円満を欠く労使関係にあることなどから、本件査定は不当労働行為とみなさざるを得ない。
1205 別組合員に対する特別手当の支給
選挙の開票速報業務に従事した従業員等に特別手当を支給したことが不利益扱いでないとされた例。
1200 降格・不昇格
組合員6名を副部長待遇・主任に昇格させないことが不利益扱いとされた例。
4413 給与上の不利益の場合
基本給の差別決定の是正にあたり、各人と同処遇、同位の者のうけた査定の最多数分布のランクにより査定したものとして再計算し、その支給額と現に受けた額との差額を支払うよう命じた例。
5201 継続する行為
基本給・一時金差別について継続する行為が認められなかった例。
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業種・規模 |
放送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集528頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和51年 8月20日 921号 (27巻21号) 25頁 
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