概要情報
事件名 |
宮入バルブ製作所 |
事件番号 |
山梨地労委昭和50年(不)第8号
山梨地労委昭和50年(不)第10号
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申立人 |
全国金属労働組合山梨地方本部 宮入バルブ支部 |
被申立人 |
株式会社 宮入バルブ製作所 代表取締役 |
被申立人 |
株式会社 宮入バルブ製作所 代表取締役会長 |
被申立人 |
Y1 |
命令年月日 |
昭和51年 1月14日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社提案の団交ルールに固執し、従来支給されていた団交出席経費の支給を打切ったこと等をめぐる事件で、団交ルールについて組合と協議して決めること、団交出席経費未払分の支給と将来の取扱いについて労使協議、団交経過及び結果について誠意ある履行ならびに陳謝文の手交、掲示を命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人らは、申立人との団体交渉に際し、いたずらに期日を延引せず、格別相当の理由がないかぎり、申立人の申し入れに対して誠意を持って応じなければならない。 2. 被申立人らは、申立人との団体交渉に際し、交渉人員の制限、時間的制限を一方的に申し入れ、かつ、固執せず、組合との折衝、もしくは団体交渉の中で民主的に話し合って取決めるようにしなければならない。 3. 被申立人らは、申立人との団体交渉を基本的には組合所在地において開催することにつとめ、会社都合の故をもって一方的に場所を指定し、これを申立人に強制してはならず、合理的相当の理由のないかぎり申立人との話合いによって交渉場所を決定しなければならない。 4. 被申立人らは、組合団体交渉委員の団体交渉出席経費の未払分については、従前の例によって支給しなければならない。なお将来における団体交渉出席経費の支給については申立人組合と協議しなければならない。 5. 被申立人Y1は、自ら申立人との団体交渉に応じ、若しくは特別の事情のある場合は、権限を委任した者をして申立人との団体交渉に応じさせ、その経過ならびに結果について誠意をもって対応し履行するようにしなければならない。 6. 被申立人らは、下記の陳謝文を申立人に手交し、かつ、縦1メートル、横50センチメートルの木板に明瞭に墨書して、甲府工場には組合掲示板に向って右側に、東京本社には受付前のそれぞれ人目につきやすい場所に14日間掲示しなければならない。 記 会社ならびにY1は、これまで会社が団体交渉に対してとってきた言動に関し、山梨県地方労働委員会によって不当労働行為であると認定されました。 よって、このことを深く反省するとともに、この命令を忠実に守り、今後労使関係の正常化に努力することを誓います。 昭和 年 月 日 株式会社宮入バルブ製作所 代表者取締役会長 Y1 代表者取締役 Y2 Y1 全国金属労働組合 山梨地方本部宮入バルブ支部 執行委員長 X1 殿 |
判定の要旨 |
2801 団体運営に関する補助金支給
団交出席経費の支給は、10数年に及ぶ労使慣行であったこと、経費自体極めて少額であり、組合の自主性、民主制を失った事実は認められないこと、会社が団交場所に固執するなど組合の財政的負担を狙った意図がうかがえることその他の諸事実などを考えると、本件経費支給打切りは支配介入行為である。
2212 交渉の場所・時間
会社が団体の交渉人員、時間、場所等について自己の提案に固執したことが不当労働行為とされた例。
4602 組合との協議を命じた例
団体出席経費支給打切りの救済として、未払分の支給と、将来の支給については、正常な労使関係が確立された時に協議するよう命じた例。
4916 企業に影響力を持つ者
代表権のある会社会長の被申立人適格を認め、団交応諾を命じた例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集58集77頁 |
評釈等情報 |
 
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