概要情報
事件名 |
トウガク |
事件番号 |
中労委昭和49年(不再)第63号
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再審査申立人 |
株式会社 トウガク |
再審査被申立人 |
東洋楽器労働組合 |
命令年月日 |
昭和50年11月19日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
賃上げにあたり組合員を低位に査定したことをめぐる事件で、組合員
平均が従業員平均を下回らないよう再査定の実施、退職者をも対象とする差額の支払いおよび陳謝文の手交を命じた初審命令を支
持し再審査の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
非組合員に比較して組合員が低位に査定されていること、組合員に成績不良者が多いとは認められないこと、査定結果の公正さが
保障される措置をとったとは認められないこと等からすれば本件賃上げ考課査定には合理的理由がなく、当時の労使事情を考慮す
ると、これを不当労働行為であるとした初審判断は相当である。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
会社は初審救済命令の対象たる15人のうち5名は退職しているので被救済利益がないというが、この15人については組合機関
決定により組合に結集する意思を認めることができ、うち5名の退職者についてはその退職時点までは救済の対象とするのが相当
である。
4415 賃金是正を命じた例
会社は、賃上げ査定の是正に当り、組合員の平均値を1,257円にせよとの命令は根拠がなく、また上積み原資もないという
が、組合分裂前の組合員の昇給平均額が従業員平均額をやや上回っていたことを考えれば、低査定された組合員の昇給額是正の基
準を平均値1,257円とした初審救済内容は妥当であり、また組合員に対する不当な差別是正のため別枠の原資を用意すること
は当然である。
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業種・規模 |
その他の製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集57集587頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和51年2月10日
583号 23頁
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