概要情報
事件名 |
トウガク |
事件番号 |
愛知地労委昭和45年(不)第18号
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申立人 |
東洋楽器労働組合 |
被申立人 |
株式会社 トウガク |
被申立人 |
東洋プライウッド 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年12月12日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
45年度賃上げの職能考課分について組合員を低位に査定した事件で、組合員の職能考課分の平均が妥結平均額を下回らないようにする再査定の実施、差額の支払および陳謝文の手交を命じ、退職者に関する申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社トウガクは、申立人東洋楽器労働組合に所属したX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14及びX15に係る昭和45年度の賃上げにおける職能考課分の平均が妥結平均 1,275円を下回らないように、同人らの昭和45年の考課査定につき再査定を実施しなければならない。ただし、再査定の実施に当たっては、再査定前の査定結果を下回ってはならない。 2 被申立人株式会社トウガクは、前項の再査定を実施した結果昭和45年度の賃上げにおける職能考課分に変更が生じたときは、前項に掲げる者の昭和45年4月以降在職中の基本給を修正し、修正前の基本給を基礎として支払われた金員との差額を、同人らに対し、それぞれすみやかに支払わなければならない。 3 被申立人東洋プライウッド株式会社は、被申立人株式会社トウガクから移籍されたX4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12及びX13の移籍時における基本給が前項により修正されたときは、同人らの移籍時以降の基本給を修正し修正前の基本給を基礎として支払われた金員との差額を、同人らに対し、すみやかに支払わなければならない。 4 被申立人株式会社トウガクは下記の陳謝文を、本命令書交付の日から10日以内に申立人東洋楽器労働組合へ手交しなければならない。 5 申立人のその余の申立ては棄却する。 記 陳 謝 文 昭和45年度賃上げにおいて、考課査定上貴組合所属組合員に対し不当な差別を加えたことを陳謝し、今後かかることのないよう誓約いたします。 昭和 年 月 日 東洋楽器労働組合 執行委員長 X1 殿 株式会社 トウガク 取締役社長 Y1 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
2900 非組合員の優遇
本件考課査定結果は、組合員とそれ以外の者との間に極めて大きな差があり会社は、組合員の勤務態度について個人別に立証しているが、査定結果と結びつけるに足る疎明とは認められず、組合結成以来の対立した労使関係を併せ考えると、本件査定は不当労働行為である。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本件申立に係る組合員22名のうち、会社に残った3名、会社部門の移譲によってT社へ移籍された10名、移転、移籍時に会社を退職した2名の計15名については、組合機関の決定により少なくとも組合に結集する意思を認めることができ、従って、会社を退職した2名と、T社に移籍後退職した5名に係る本件申立ては退職時点までは救済の対象とするのが相当である。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
なんら組合の機関決定もなく組合から離脱した者は、本件救済から除外するのが相当である。
4415 賃金是正を命じた例
会社は。考課査定者がすでに在籍せず、再査定は事実上不可能であるとし、また組合員全員が従業員平均を上回る査定は不合理であるというが、考課査定票の存在も認められ、また、再査定の実施は組合員の職能考課分の平均が妥結平均を下回らないようにせよということであるから、会社主張は当を得ない。
4407 バックペイの支払い方法
会社部門の移譲によってT社に移籍した者の基本給が、会社において修正された場合には、その賃金をそのまま引き継ぐことになっているから、T社は同人らの移籍時の基本給を修正し、既支払金員との差額を支払わなければならない。
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業種・規模 |
木材・木製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集54集464頁 |
評釈等情報 |
 
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