概要情報
事件名 |
三菱重工業 |
事件番号 |
中労委昭和49年(不再)第52号
中労委昭和49年(不再)第53号
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再審査申立人 |
全日本造船機械労働組合三菱重工支部長崎造船分会 |
再審査申立人 |
三菱重工業 株式会社 |
再審査被申立人 |
全日本造船機械労働組合三菱重工支部長崎造船分会 |
再審査被申立人 |
三菱重工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和50年11月 5日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
別組合員である作業長らが就業時間中に部下を集め別組合加入の事前手続を行ったこと、これを調査した分会員X1に対し無断職場離脱を理由に賃金カットしたこと、本件についての団交を拒否した事件で、X1の無断離席扱いの取消し、バック・ペイを命じた初審判断を全部変更し、初審で棄却した作業長らによる別組合に便宜を与えるような行為の放置の禁止および団交拒否に関する誓約書の交付を命じ、X1に関する初審救済命令は取消した。 |
命令主文 |
主 文 本件初審命令主文を次のとおり変更する。 1 三菱重工業株式会社は、作業長ら会社職制が全日本労働総同盟三菱重工労働組合の組合活 動に便宜を与えるような行為をすることを放置してはならない。 2 三菱重工業株式会社は、全日本造船機械労働組合三菱重工支部長崎造船分会に対して下記 の文書を交付しなければならない。 記 貴分会からの昭和47年6月1日付団体交渉申入れに対して、職場規律の問題である等の理 由で団体交渉に応じなかったことは、中央労働委員会で不当労働行為と認定されました。今 後、このようなことを繰り返しません。 年 月 日 全日本造船機械労働組合三菱重工支部長崎造船分会 分会長 殿 三菱重工業株式会社 代表取締役 印 3 その余の初審申立人の救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
分会員X1が分会の決定に従い、就業時間中に職場離脱問題の調査に従事したことが認められ、それを理由として会社は賃金カットしているのであるから、これを直ちに不当労働行為であるとは認められず、初審判断は失当である。
2301 人事事項
分会が本件職場離脱問題を会社職制らによる別組合の組合活動に対する援助と考え、会社に団交を申入れたことを理由なしとすることはできず、また十分団交事項たりうるものであるのみならず、会社は進んで団交を行い分会の誤解を解くべきであるのにこれを拒否しているのは正当な理由がなく、初審判断は失当である。
2901 組合無視
3410 職制上の地位にある者の言動
作業長はいわゆる使用者の利益代表者とはいえず、その行為を直ちに会社の責任とすることはできないが、同人らの指示による無断職場離脱を分会員の措置と違って注意した程度に止めたことは同人らがその地位を利用して就業時間中の職場離脱に関し別組合に便宜を与えた事実を結果として黙認したもので、分会との団交にも応じない会社の態度を併せ考えると結局分会に対する支配介入といわざるをえず、初審判断は失当である。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集57集553頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 昭和51年2月10日 583号 24頁 
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