概要情報
事件名 |
三菱重工業 |
事件番号 |
長崎地労委昭和47年(不)第10号
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申立人 |
全日本造船機械労働組合三菱重工支部長崎造船分会 |
被申立人 |
三菱重工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和49年10月31日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
別組合員である作業長らが正規の手続をとることなく離席し、就業時間中に別組合加入希望者を集め加入についての事前手続を行なったこと、本件を調査した分会員X1に対し無断職場離脱を理由に賃金カットしたこと、本件についての団交を拒否したこと等をめぐる事件で、分会員X1の無断離席扱いの取消およびバックペイを命じ、その他は棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、X1に対する昭和47年5月17日及び同月18日の無断離席扱いを取消し、賃金カット分を同人に支払わなければならない。 2 申立人のその余の申立は棄却する。 |
判定の要旨 |
1203 その他給与決定上の取扱い
分会員3名の職場離席は、同人らが別組合加入を希望し、加入審査に関する事前調査手続に臨んだもので、その際、組合活動としての正規の手続を取らなかったものであるから、本件賃金カットは不当とはいえない。
1203 その他給与決定上の取扱い
分会員X1の離席は、別組合員が加入審査のため行なった離席に不当労働行為の疑いを持ち調査を行ったためのもので、調査が突発的に行なわれた事情、事件の性質、所要時間・場所などを総合判断すると、X1の行為を賃金カットの対象とすべきではなく、本件措置は同人の組合活動に対する報復的な行為であり、不利益取扱いである。
2307 その他
本件職場離席は、別組合の指示により、その職場組織が、会社に無断で就業時間中に加入希望者を集めて加入についての事前手続を行なったもので、会社がこれに関与したとの事実が認められない以上、会社が、本件に関する分会の団交申入れを、団交事項でないとして拒否しても不当とはいえない。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
3410 職制上の地位にある者の言動
別組合員である作業長、副作業長らが、就業時間中に無断職場離席をして、別組合加入希望の分会員を集め、加入について事前手続を行ったことは、第一線監督者としての職務を自ら怠り別組合の委員又は組合員の立場で自分勝手に行ったものであり、また、会社が同人らに、賃金カット、厳重注意などを行なっていること等からみて、本件職場離席は、作業長らがその地位を利用して分会組織の切崩しを行ない、かつ、会社がその便宜をはかったものとは認められない。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集54集331頁 |
評釈等情報 |
 
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