概要情報
事件名 |
井関銘木工業 |
事件番号 |
茨城地労委昭和50年(不)第1号
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申立人 |
全統一労働組合 |
被申立人 |
株式会社 井関銘木工業 |
命令年月日 |
昭和50年11月20日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
年末一時金配分基準に事業所成績系数および賞罰系数を導入し、分会員の年末一時金を低額支給した事件で、前記系数適用の再検討、分会員について考課得点の基準を明確にしたうえでの再査定及び少なくとも平均して分会員に対する夏季一時金並みの金額の支給を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、昭和49年年末一時金について、石岡工場における事業所成績系数及び賞罰系 数の適用を再検討しなければならない。 2 被申立人は、考課得点の基準を明確にしたうえで、申立人組合X1分会員について再査定 を行わなければならない。 3 被申立人は、上記1・2について妥当かつ合理的な改善を行い、申立人組合X1分会員に 対し、少なくとも平均して、X1分会員に対する昭和49年夏季一時金並みの金額を昭和49年 年末一時金として支給しなければならない。 4 その余の申立は棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
工場の生産低下は、分会員の勤務成績不良を主因とするものではなく、会社の生産体制の不備にも責任があるのに、これを口実に分会員のみが極めて不利になる事業所成績系数を一方的に年末一時金の配分基準に導入適用したことは、工場にのみ存在する分会の組合活動を嫌悪してなしたものと推認される。
1201 支払い遅延・給付差別
年末一時金の配分基準に賞罰系数を導入したことは、会社が分会が結成されるや否や就業規則を大幅に改定し、組合活動を厳しく制限したこと、賞罰系数が極めて厳しいものであること、現実に適用をうけるのは分会員の集中した工場の従業員のみであること等からみて、これが全社的に適用されるものであるとしても、結果として、ことさらに当該工場の組合活動を抑制するものであり、妥当なものとは認められない。
1201 支払い遅延・給付差別
分会結成後激しく対立している労使関係の下で、会社の生産体制の不備にも責任がある生産低下を口実に分会員のみに極めて不利となる事業所成績系数や組合活動の抑制を意図した賞罰系数を、年末一時金配分基準に一方的に導入適用したり、従来からの考課得点を不当に適用するなどして分会員に対して低額の年末一時金を支給したことは、工場のみに存在する分会の分会員をことさらに不利益に扱ったものである。
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業種・規模 |
木材・木製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集57集221頁 |
評釈等情報 |
 
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