概要情報
事件名 |
ハッピーミシン製造 |
事件番号 |
山形地労委昭和48年(不)第5号
山形地労委昭和48年(不)第10号
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申立人 |
全国金属労働組合山形地方本部ハッピーミシン支部 |
被申立人 |
ハッピーミシン製造 株式会社 |
命令年月日 |
昭和50年 2月10日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
昭和48年春闘時において組合が行なったストの幹部責任を追求して、組合幹部3名を減給処分に、2名を譴責処分に付し、組合のストの事前、事後に各種の警告書、抗議書等を発し文書を配布し、さらに組合集会のための会社施設の利用禁止等をめぐる事件で、減給及び譴責処分の取消しを命じ、各種警告、文書配布、会社施設の利用禁止等については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人ハッピーミシン製造株式会社は昭和48年10月17日付で行なったX1、X2及びX 3に対する減給処分並びにX4及びX5に対する譴責処分を取消さなければならない。 2 その余の申立は棄却する。 |
判定の要旨 |
0414 ピケッティング
0421 幹部責任
会社東門附近におけるピケ隊員の就労阻止行為には、ピケの正当性の限界をこえるものもあったが、これらの行為は場所的、時間的に限られたものであること、ストという異常な状況での行為であったこと等からみて、この程度の違法行為があったからといって当日のスト自体を違法視できず、これを理由とする組合幹部5名に対する懲戒処分は不利益扱いである。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
第1波ストの前日、会社が組合に対して他の従業員の就労妨害や得意先等による製品等の搬出入妨害の禁止など4項目について警告した文書の内容は、表現の一部に若干穏当を欠く点が見受けられるが、その趣旨は違法行為があれば処分するというもので、この程度の所信表明をもって支配介入とすることはできない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3410 職制上の地位にある者の言動
スト当日の社門附近の状況などからすれば、会社が当日のストを違法と判断し、組合幹部等に対する責任追及と損害賠償請求等を内容とする、抗議警告書を発したことは無理からぬところで、これをもって支配介入とすることはできない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
3020 組合活動への制約
3102 争議対抗手段
3410 職制上の地位にある者の言動
第2波ストの前日、会社が組合に対して、会社施設内での組合旗設置及び鉢巻、腕章を着用しての就労禁止等の警告書を発したことは、当日、会社の主要取引先会社社員が多数来社する日であったこと、第1波ストの状況等から考えて、やむを得ない事情にあったと認められ、これをもって支配介入とすることはできない。
3020 組合活動への制約
就業時間中多数の者が会社の許可を受けることなく会社構内で組合集会を行うときは、会社は特別の事情のないかぎり施設管理権を行使して構内からの退去を要求し得ることは当然であり、会社がスト中の構内使用についてこれを認めず、組合に退去を求めたことには理由がある。
3020 組合活動への制約
今後組合集会に構内使用を認めないとの組合あて抗議書には穏当を欠く表現があるが、会社幹部らの発言から判断すると、会社は、組合が許可の条件を守れば構内使用を認める態度であったことは明らかであり、組合も承知していたこと等から、本件抗議書をもって支配介入とはいえない。
3020 組合活動への制約
一時金の報告集会開催のための会社構内使用は認めないと通告したことは、事務折衝における組合書記長の許可願は出す必要がないとの発言などからすると、無理からぬことであって、むしろ組合の態度に起因するものと認められるから、支配介入とはいえない。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集55集110頁 |
評釈等情報 |
労働判例 昭和50年 5月15日 221号 48頁 
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