概要情報
事件名 |
大阪日日新聞 |
事件番号 |
中労委昭和47年(不再)第57号
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再審査申立人 |
株式会社 大阪日日新聞社 |
再審査被申立人 |
大阪日日新聞労働組合 |
再審査被申立人 |
日本新聞労働組合連合近畿地方連合会 |
命令年月日 |
昭和48年 3月19日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、賃上げ等を内容とする団交を拒否し、組合のストに対抗してロックアウトを継続し、ガードマンを導入して、組合の貼付したステッカーを破棄し、組合の会議室使用を妨害した事件で、全部救済をした初審命令のうち、ステッカーの破棄を不当労働行為ではないとし、他の再審査申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 初審命令主文第3項の記中「1.昭和47年4月25日、貴組合の貼付したステッカーを一方的に撤去したこと。」の部分を取り消す。 2 再審査申立人のその余の申立を棄去する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
0203 職場闘争と業務妨害
会社玄関前の全員集会、ステッカーの貼付、社屋内デモは、いずれも争議時に通常行われるものであり、たとえ会社の承諾がなかったからと言って、直ちに組合活動として許される範囲を逸脱したものと認めることはできない。
0204 団交・争議に付随する行為
本件争議中に社主への批判、紙面記事への批判が行われていても、主たる目的は賃上げ、就業規則改訂問題等であったと認められるから、違法不当なものとは認められない。
0417 法令・協約・信義則違反
組合の行なった時限スト、指名ストは、会社が組合配布のビラにより事前に了知していたと認められること、組合がスト突入前に職制に通告していることおよび労使間にスト予告義務を定めた協定がないことからみて、抜打ちストの違法性は認められない。
0419 ロックアウトとの関連
本件ロックアウトは、開始時点において必要性、緊急性が認められないばかりでなく、組合が就労を申入れているのに命令時においても継続しており、その正当性は認め難く、これを組合組織の弱体化ないし破壊を意図したものとした初審判断は相当である。
2230 不穏当な態度
2304 経営事項
4500 交渉拒否理由または交渉条件に関する指示に触れた例
会社が、平穏な状態での交渉が期待できないこと、交渉内容が実現不可能なものであること等を理由に団交を拒否したことは、組合の春闘目標が経営権の奪取にあったとは認められないこと、ステッカー貼付等は組合活動の範囲を逸脱していないこと等からみて、不当労働行為である。
3020 組合活動への制約
会社が、組合の貼付したステッカーをガードマンらをして撤去させたことは、会社の対抗行為として許されるところであり、組合に対する支配介入行為ということはできない。
3020 組合活動への制約
3102 争議対抗手段
会社が、ガードマンにより組合員を会議室から実力排除したことは、別段施設管理上の支障は認められないこと、本件紛議において会社は性急に自己に有利な解決をはからんとしていたこと等からみて、組合組織の弱体化を意図した不当労働行為であるとした初審判断は相当である。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集49集281頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 S-48-10-20 828号( 24巻29号) 20頁 
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