概要情報
事件名 |
西岡貞 |
事件番号 |
大阪地労委昭和46年(不)第49号
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申立人 |
総評全国一般大阪地連西岡貞労働組合 |
被申立人 |
西岡貞 株式会社 |
命令年月日 |
昭和47年 2月 3日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社は、組合との賃上げ交渉の前提条件として、組合員名簿の提出等の他、組合活動の規制を内容とする「労使関係ルール」の承認を求め、拒否されると、これを承認した従組にのみ賃上げを実施した事件で、賃上げの実施、ポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人組合員に対し、昭和46年9月6日づけ賃上げ回答にもとづき、同年9月分から申立人組合員一人平均 7,000円の賃上げ額を支給しなければならない。 2. 被申立人は、縦1メートル横 1.5メートルの白色木板に下記のとおり墨書して、被申立人会社食堂の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 総評全国一般大阪地連 西岡貞労働組合 執行委員長 X1 殿 西岡貞株式会社 代表取締役 Y1 当社は、貴組合員に対し、昭和46年9月の賃上げに際して、一方的に「労使関係の基本ルール」の設定を賃上げの前提条件とし、かつ、これの不承諾を理由として賃上げを実施しなかったことは、労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 以上、大阪府地方労働委員会の命令により掲示します。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
会社が、労使関係ルール受諾を賃上げの前提条件とし、ルール受諾を一部保留している組合に全面受諾を迫り、一方別組合には受諾したことを理由に賃上げを実施したことは、そのために組合を脱退する者が出たことを考えると組合員に経済的不利益を及ぼし動揺を誘い、組合の弱体化ないし組織の壊滅を企図したものと認められる。
1201 支払い遅延・給付差別
2901 組合無視
会社は、従組が前記ルールを受諾して賃上げがなされたものであるから、組合に前提条件を除外して賃上げを認めることは差別扱いになるというが、ルール自体不当な内容が含まれており、現在取扱い上の差が生じても今後の両組合との話し合いで修正できるのだから組合間差別にはならない。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集46集135頁 |
評釈等情報 |
 
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