概要情報
事件名 |
内田洋行 |
事件番号 |
中労委昭和45年(不再)第8号
中労委昭和45年(不再)第9号
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再審査申立人 |
総評全国一般大阪地連内田洋行労働組合 |
再審査申立人 |
株式会社 内田洋行 |
再審査被申立人 |
株式会社 内田洋行 |
再審査被申立人 |
総評全国一般大阪地連内田洋行労働組合 |
命令年月日 |
昭和46年12月15日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
新賃金体系移行当初の格付けおよびその後の昇給・昇格について組合員が低く査定された事件で、昇給差別額の支給、陳謝文の手交を命じ、その余を棄却または却下した初審命令のうち、差別額計算方法を変更し、その他の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 初審命令主文第1項を次のとおり変更する。 株式会社内田洋行は、総評全国一般大阪地連内田洋行労働組合(以上「組合」という。)の組合員につき、昭和41年度、昭和42年度および昭和43年度のそれぞれの昇給については、考課査定を別表IIの「普通」として計算した額(号数は最高号数に達するまで3号上昇額および普通昇給額)とし、その差額をすみやかに組合の組合員に支払わなければならない。 2 各再審査申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
新賃金体系への移行期間中の特例措置は、同一資格内でも4年以上を在籍しなければ上位資格への受験資格が与えられない点を考慮して、受験資格を調整するものに過ぎず、移行期間中は無試験で自動的に昇格できるものとは認められず、また、そのような例はないから、組合の主張は採用できない。
1202 考課査定による差別
組合員の昇給額が会社従業員より低額であることが会社の不利益取扱いによるものか否かは、組合員と他の従業員とについて具体的資料に基づき比較対象して判断しなければならないのに、会社の説明は抽象的でその裏付資料もなく、かつ、対立関係にある労使事情下の行為である点を考えれば、組合員の低額昇給は不当労働行為と認めざるを得ない。
1202 考課査定による差別
殆んどの組合員が昇給試験を受けないため昇格しておらず、同一資格内の最高号数に達して頭打ちになっている。したがって、考課査定に基づく号数の上昇がなされないために会社の平均昇給額を下回っているので、この部分については不利益取扱いでなない。
5121 挙証・採証
組合員が会社従業員の平均より低く査定されていることが明らかであり、その差別についての合理的理由が見出し難く、また、会社もそれを疎明するに足る資料を提出しないのであるから、組合が先ず不当差別であることを立証すべきであるとの会社主張は採用できない。
5200 除斥期間
5201 継続する行為
会社の資格格付は、本件救済申立てまでに1年以上経過しており、かつ、継続する行為とは認められないから、救済申立てを受けることは出来ない。
5200 除斥期間
会社の昇給発令行為は、本件救済申立てまでに1年以上経過しているため、この救済申立てを受けることはできない。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集45集789頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 岸田 徹 昭和47年7月10日 812号 67頁 
中央労働時報 昭和47年3月10日 526号 21頁 
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