労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  東京成徳学園 
事件番号  中労委昭和46年(不再)第4号 
再審査申立人  学校法人 東京成徳学園 
再審査被申立人  X1 他6名 
再審査被申立人  東京私学労働組合 
命令年月日  昭和46年12月 1日 
命令区分  再審査棄却(初審命令をそのまま維持) 
重要度   
事件概要  学園が分会員X2・X3を解雇し、分会のビラ配布を妨害するなどの支配介入行為をなし、団交を拒否し、またスト参加を理由に処分を行なった事件で、いずれも初審救済命令を支持して再審査申立てを棄却した。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  0410 目的・手続き
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
1200 降格・不昇格
1400 制裁処分
ストの目的に政治的スローガンばかりでなく、分会員の解雇撤回要求も含まれていたことからすれば、本件ストが純粋な政治ストであるとまでは断定できず、また校務に重大な支障もなかったところから、分会員らに対する各処分は分会に対する支配介入の一環として行なわれたものと認められる。

1102 業務命令違反
組合活動家X2の解雇は、学園がX2が組合員であることを知らない間になした配転拒否を理由とする解雇予告が、その後撤回されたような事情がみられるので、それにもとづくものとは認められず、かえって、X2が組合員であることを明らかにしたために、前記解雇予告に藉口してなされたものである。

1106 契約更新拒否
雇用期間1年の教諭であったX3が講師としての雇用更新辞令を返上したために4月以降の雇用契約が成立しなかったとは認められないような事情がみられ、かえって、X3が組合活動家であったがために4月30日付けで解雇されたものと認められる。

2230 不穏当な態度
2244 特定条件の固執
団交において十分論議をなしていないこと、および組合の文書や交渉員の発言に多少問題があってもそれが学園の態度にもとづくものである以上、陳謝しなければ団交しないということは許されず、学園の主張はいずれも団交を拒否する正当な理由とは認められない。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
校長の教職員朝会での発言や教頭の書記長に対する発言は、その発言内容や、発言時期等から考えて、分会を中傷し、弱体化しようとしたものと認められる。

3020 組合活動への制約
管理要領制定の時期が分会員がビラ配布活動をした後間もない時期であること、配布物の許可手続が厳格になったことあるいは配布物についてかえって学園内で問題になった例がないことから、管理要領を制定した目的の一つには、分会員のビラ配布活動を規制する趣旨もあったと認められる。

0200 宣伝活動
1400 制裁処分
学園が、ビラを配布した分会員に対して、管理要領に基づく手続きを履践しなかったことを理由に、戒告処分をなしたのは、ビラ配布するに至った事情、その内容あるいはビラ配布が業務に与えた影響等から考えて、許されないものと考えられる。

1400 制裁処分
3020 組合活動への制約
3106 その他の行為
3700 使用者の認識・嫌悪
分会員の忘れ物のバックの中味を必要以上にただしたり、分会員の赤電話等の使用を禁止したり、手あき時間中の分会員同士の話し合いにまで制約を加えて戒告処分を行なったりしている学園の行為は、いずれも学園の分会員に対する嫌悪の情を示したものを認めざるを得ない。

4504 他の救済と重畳的に団交の必要性を認めた例
組合が救済申立てを行なった後は団交が行なわれているが、分会員X2・X3の身分問題、校内における組合活動の許容基準等の問題が未解決事項として残されており、これらの問題は、今後の団交で解決するのが適当であるので、団交を命じた初審命令を変更する必要は認められない。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集45集746頁 
評釈等情報  中央労働時報 昭和47年3月10日  526号 18頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京地労委昭和43年(不)第69号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和45年12月24日 決定