概要情報
事件名 |
内田洋行 |
事件番号 |
大阪地労委昭和43年(不)第66号
大阪地労委昭和45年(不)第24号
大阪地労委昭和45年(不)第42号
大阪地労委昭和45年(不)第43号
大阪地労委昭和45年(不)第50号
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申立人 |
総評全国一般大阪地連内田洋行労働組合 |
被申立人 |
株式会社 内田洋行 |
命令年月日 |
昭和46年 5月11日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
申立組合員のほとんどが、42年冬以降の一時金および44年以降の昇給について「普通」以下に考課査定された事件で、各年の一時金、昇給とも、考課査定を「普通」として計算した額を下回らない額の支払いとポストノーティスを命じ、陳謝文の手交については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員の昭和44年度および昭和45年度のそれぞれの昇給については、考課査定を別表Iの「普通」として計算した額(号数は最高号数に達するまで3号上昇および定期昇給額)を下回らない額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合員の昭和42年冬、昭和43年夏・冬、昭和44年夏・冬および昭和45年夏のそれぞれの一時金については、考課査定を「普通」(成績係数を1.0とする)として計算した額を下回らない額を支払わなければならない。 3 被申立人は、下記陳謝文を縦1メートル、横2メートルの白色木板に明瞭に墨書して、すみやかに、会社大阪店の掲示板または、その掲示板附近の従業員のみやすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 総評全国一般大阪地連 内田洋行労働組合 執行委員長 X1 殿 株式会社 内田洋行 取締役社長 Y1 陳 謝 文 当社は、貴組合の組合員に対し、昭和44年度および昭和45年度の昇給ならびに昭和42年冬、昭和43年夏・冬、昭和44年夏・冬、および昭和45年夏の各一時金のそれぞれの支給について差別したことは、組合を嫌悪して行なった労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であったことを認め、ここに陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 以上、大阪地方労働委員会の命令により掲示します。 4 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
昇給および賞与の考課査定のための合理的な評価基準や、その評価結果と考課査定との関係が不明確であること、他の従業員と比較して組合員の勤務成績が不良であったとの事実が明らかでないこと、従来ことごとに労使が対立してきたこと等から判断すると、本件査定は不利益扱いである。
4413 給与上の不利益の場合
すでに同一資格内の最高号数に達し頭打ちとなった場合、考課査定に基づく号数の上昇がなされないので、頭打ちによる号数の停止のため会社平均昇給額を下回っている部分については救済できない。
5121 挙証・採証
賃上げ等にかかる不利益扱いを理由とする不当労働行為の救済申立にあっては、申立人が外形的な差別の事実を疎明したときは、その差別につき合理的な理由の存することを使用者が主張ならびに疎明しない限り、不当労働行為と推認せざるをえない。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集44集376頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971年9月1日 130号 70頁 
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