概要情報
事件名 |
東京整機工業 |
事件番号 |
東京地労委昭和44年(不)第43号
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申立人 |
全国金属労働組合東京地方本部東京整機支部 |
被申立人 |
東京整機工業 株式会社 |
被申立人 |
株式会社 東京自動機械製作所 |
命令年月日 |
昭和45年12月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合が賃上げを要求してストライキなどを行なったところ賃上げ問題未解決のまま会社を解散し、全従業員を解雇した事件で、親会社への就職あっせん、退職希望者の希望条件についての団交を命じ、事業再開、組合員の原職復帰、バックペイについては棄却し、親会社に対する救済申立てについては却下した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人東京整機工業株式会社は、申立人全国金属労働組合東京地方本部東京整機支部が次の事項につき団体交渉を申し出たときは、同組合との間で誠実に団体交渉をしなければならない。 記 同組合の組合員であり被申立人東京整機工業株式会社の従業員であったもののうち(1)被申立人株式会社東京自動機械製作所への就職を希望するものを同会社に斡旋することについて(2)同社への就職を希望しないものについては被申立人東京整機工業株式会社からの退職条件について 2 同被申立人に対するその余の申立てはこれを棄却する。 3 被申立人株式会社東京自動機械製作所に対する申立てはこれを却下する。 |
判定の要旨 |
1800 会社解散・事業閉鎖
3700 使用者の認識・嫌悪
労使紛争の激化と経営悪化の責任を挙げて組合に転換しようとする会社の態度や、株主総会席上における社長の言動等からみて、経営不振が、会社解散の決意を促進した面はあったとしても、会社解散の真の動機は、会社が申立人組合を嫌悪したことにあり、本件解散に伴う解雇は不当労働行為である。
4420 団交を命じた例
4911 解散事業における使用者
5006 採用の請求
会社は、現時点では真実解散したと判断されるので、事業再開、原職復帰、バックペイ等の命令をなし得ないが、会社解散までの経緯、動機の不当性、組合員らがうけた不利益からみて、親会社への就職希望者の就職あっせん、退職希望者の退職条件等について団交を命ずることが必要かつ適当であると認める。
4915 親会社
東京整機と自動機械の基本的関係は、株主構成、営業内容、従業員の募集方法、労務管理などの相異からみて、いわゆる親会社と下請としてそれぞれ独自の利害関係をもつものと判断され、両社は一体であるとする申立人主張は肯認できず、その他親会社を本件の「使用者」と認めるべき理由もないから、本件申立のうち親会社に関する部分は却下する。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集441頁 |
評釈等情報 |
 
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