概要情報
事件名 |
出光興産 |
事件番号 |
愛知地労委昭和44年(不)第10号
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申立人 |
出光興産名古屋油槽所労働組合 |
被申立人 |
出光興産 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年11月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合が結成されるや対抗組織として親睦団体を設立し、その機関紙を通じて申立組合の運営に介入し、さらに職制が組合脱退を慫慂した事件で、支配介入の禁止、陳謝文の手交を命じ、ポストノーティスについては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、親睦団体である光友会を利用し、申立人組合およびその組合活動を非難するなどの行為をして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人組合の組合員に対して組合脱退を勧奨し、あるいは脱退届の作成、提出を援助などして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、本命令書交付の日から5日以内に、下記の陳謝文を申立人組合へ手交しなければならない。 記 年 月 日 出光興産名古屋油槽所労働組合 執行委員長 X1 殿 出光興産株式会社 代表取締役 Y1 陳 謝 文 当社は、親睦団体である光友会を利用し、貴組合およびその組合活動を非難し、さらに貴組合員に対して組合脱退を勧奨したり、あるいは脱退届の作成、提出を援助して、貴組合の運営に支配介入したことを認めます。 今後は、このような不当労働行為を一切行なわないことを誓約します。 4 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2501 親睦団体の利用
光友会は会社の職制上の地位にある者らによって組合に対抗するために会社の意図を体して結成されたものであり、会社はこれを利用して組合およびその活動に不当に介入しようとしたものと結論せざるを得ない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2612 従業員の親族・保証人・友人の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
3420 従業員の親族・保証人・友人の言動
X1らの組合員に対する組合脱退の勧奨に際しては、先輩あるいは縁故関係を通じて職制上の地位に伴う何らかの圧力が加えられていたことは、X1らに脱退届を渡した組合員らが後に脱退を留保したりあるいは再加入していることによって明らかである。
2610 職制上の地位にある者の言動
2623 脱退届け作成・提出強要
3410 職制上の地位にある者の言動
X1らの持参した脱退届を一括して組合あて郵送したことは、同人が人事労務を相当する職制上の地位にある者としてX1らの脱退勧奨行為の総仕上げをしたものと言わざるを得ない。
3411 その他の従業員の言動
会社の正式の職制ではないが下級の役付者として事実上の職制であり、一般従業員よりも会社の組合に対する意図を読みとれる立場にあったことが認められるので、会社は彼らが会社の意図に迎合するために行なった行為についてその責任を免れることができない。
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業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集43集401頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1971年2月1日 116号 61頁 
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