概要情報
事件名 |
近鉄大一トラック |
事件番号 |
静岡地労委昭和44年(不)第2号
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申立人 |
全国自動車運輸労働組合大一トラック支部 |
被申立人 |
近鉄大一トラック 株式会社 |
命令年月日 |
昭和45年 2月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合の部分スト指令に対し、個々の組合員に完全就労するか否かを打診し、組合指令に従うと答えた組合員の就労を拒否し、その間の賃金をカットした事件で、賃金カット相当分の支給を命じた。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人組合所属の従業員である別表第1記載の者に対する昭和43年11月29日の欠勤扱いを取消し、同人らに対し、平均賃金の1日分相当額を支給しなければならない。 2. 被申立人は、申立人組合所属の従業員である別表第2記載の者に対する昭和43年11月29日の半休扱いを取消し、同人らに対し、平均賃金の1日分相当額から被申立人が既に支払った賃金(基本給の半日分)を差引いた額を支給しなければならない。 3. 被申立人は、申立人組合所属の従業員である別表第3記載の者に対する昭和43年11月29日の待機時間 1時間分の賃金(時間外 1時間分の賃金)カットを取消し、同人らに対し、カットした減給額を支給しなければならない。 4. 被申立人は、申立人組合所属の従業員である別表第4記載の者に対する昭和43年11月29日の時間外 3時間20分の減給扱いを取消し、同人らに対し、減給額を支給しなければならない。 5. 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1204 スト・カット
1401 労務の受領拒否
3101 スト破り
組合の部分スト指令中、組合の統制に服している個々の組合員に対して、就労するか否かを確めたことは、暗に組合の統制を破り就労することを慫慂したもので、組合指令に従うと答えた者の就労を拒否し、その間の賃金をカットした行為は、組合組織の弱体化を意図し、かつ組合員を不利益に取扱ったものである。
5005 損害賠償の請求
組合は、会社に対し本件に関して費済した経費の全額の支払いを求めているが、損害賠償請求は不当労働行為制度になじまない。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集42集89頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 本田尊正 S45-11-10 21巻30号 21頁 
労働判例 1970年 4月15日 97号 29頁 
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