概要情報
事件名 |
西日本新聞社 |
事件番号 |
福岡地労委昭和43年(不)第50号
|
申立人 |
西日本新聞労働組合 |
被申立人 |
株式会社 西日本新聞社 |
命令年月日 |
昭和45年 2月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
組合の公明新聞賃刷り反対ストに対して、会社が組合および組合員に懲戒処分をする旨の警告書等を発し、なおかつ、業務拒否を続けたところ、争議責任者5名を休職処分に付した事件で、処分取消し、バックペイ、支配介入の禁止を命じ、団交拒否については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、昭和43年9月17日および同月26日付でなした申立人組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5に対する懲戒休職処分を取消し、その処分がなければ同人等がうけるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 2. 被申立人は、申立人の正当なる組合活動に対し、組合および組合員に懲戒処分をする旨の警告書等を発して、組合の運営に支配介入してはならない。 3. 申立人のその余の救済請求は棄却する。 |
判定の要旨 |
0421 幹部責任
0422 実行行為者の責任
1400 制裁処分
不当な業務命令に対抗するために行なわれた本件争議行為は正当であるから、これを指令し、あるいは参加したとの理由をもって組合役員ら5名を懲戒休職処分に付したことは、不利益取扱いである。
0420 その他の争議行為
2620 反組合的言動
団体交渉義務を十分に尽くさないで軽卒に発せられた業務命令に対抗する手段として、組合が業務拒否を行ったことは正当であり、会社がこれを阻止するため、指令責任者ならびに参加者の責任を追求する旨の警告書や示達を発したことは、組合の団結を阻害するものであるり、法 7条 3号に該当する不当労働行為である。
3700 使用者の認識・嫌悪
公明新聞賃刷り作業の実施は、これに従事する労働者の労働強化を伴うことが明らかであり、組合の抗議があるにもかかわらず、会社が労働強化を解消するべき具体的な労働条件の提示および説明をしないまま、作業の開始を決定し、業務命令を発したことは、軽卒かつ、失当のそしりを免れない。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
当初においては、十分な団交がなされたとは認められなくとも、申立後、同一事項に関し、数回団交を重ねており、かつ使用者も拒否する態度にでていないことからみて、団交を命じる必要はないと判断される。
|
業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集42集79頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1970年 4月15日 97号 28頁 
労働判例 1970年 5月 1日 98号 61頁 
|