概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
大阪地裁令和6年(行ウ)第161号 不当労働行為救済命令取消請求事件 |
| 原告 |
X組合(「組合」) |
| 被告 |
大阪府(処分行政庁 大阪府労働委員会)
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| 被告補助参加人 |
Z法人(「法人」) |
| 判決年月日 |
令和7年7月17日 |
| 判決区分 |
棄却 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
1 本件は、組合からの団体交渉申入れに対し、法人が、組合との関係で労働組合法(「労組法」)上の使用者ではないとして、これに応じなかったことが不当労働行為に当たる、として救済申立てがなされた事案である。
2 大阪府労働委員会は、申立てを棄却した。(「本件命令」)
3 組合は、これを不服として大阪地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は組合の請求を棄却した。
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| 判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用(補助参加によって生じた費用を含む。)は原告の負担とする。 |
| 判決の要旨 |
本件の争点は、法人が原告との関係で労組法7条の「使用者」に当たるかどうかである。
1 労組法7条の「使用者」は、一般に労働契約上の雇用主をいうものであるが、雇用主以外の事業主であっても、その労働者の基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合には、その限りにおいて、上記事業主は同条の「使用者」に当たるものと解するのが相当である(最高裁判所平成7年2月28日第三小法廷判決・民集49巻2号559頁参照)。
2 令和5年4月21日、組合が法人に対して行った団体交渉の申入れ(「本件団交申入れ」)当時、法人及びその加盟事業主に雇用されている組合の組合員はいなかったのであるから、法人は、組合の組合員との関係で、労働契約上の雇用主ではない。また、法人が、組合の組合員の労働契約上の基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあったことについて、原告は、これを基礎付ける具体的な事実を主張していないし、これを認めるに足りる証拠もない。
したがって、法人が、本件団交申入れ当時、原告との関係で労組法7条の「使用者」であったと認めることはできない。
3 以上によれば、本件命令が違法であると認めることはできない。
4 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。 |
| その他 |
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