概要情報
事件名 |
郵便事業 |
事件番号 |
広島高裁平成24年(行コ)第26号 |
控訴人 |
日本郵便株式会社 |
被控訴人 |
広島県(処分行政庁・広島県労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
郵政産業労働者ユニオン中国地方本部(旧名称 郵政労働者ユニオン中国地方本部) |
被控訴人補助参加人 |
郵政産業労働者ユニオン安芸府中支部(旧名称 郵政労働者ユニオン安芸府中支部) |
被控訴人補助参加人 |
X1(個人) |
判決年月日 |
平成25年4月26日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 組合は、会社が組合安芸府中支部の書記長であった申立人X1に対し安芸府中支店から広島東支店への異動を命じたことが不当労働行為であるとして、救済を申し立てた。
2 広島県労委は、会社に対し、①X1の原職復帰、②組合への文書交付を命じ、その余の申立てを棄却又は却下した。会社は、同命令を不服として取消訴訟を提起したが、広島地裁は、会社の請求を棄却した。
3 本件は、会社の控訴に対する控訴審判決である。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用(補助参加により生じた費用を含む。)は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
当裁判所は、当審における控訴人の主張・立証を検討しても、原判決が認定説示するとおり、本件救済命令には違法性がなく適法であると判断する。その理由は,大要原判決の理由のとおりであるから、これを引用する。
一審判決の概要は次のとおり
1 本件異動命令は労組法7条1号本文に当たるか
安芸府中支店郵便課においては外務正社員は計画人員より多い状態(過員)ではあったものの、実際の業務量との関係で人員が不足し、他方、広島東支店第一集配課及び第二集配課において人員が不足していた様子はうかがえないなど本件異動命令は、業務上の必要性に疑問があり、しかも、選考基準や異動予定者の人選に不自然な点や疑問点が散見されるから、これが支部と安芸府中支店の労使関係は従来から必ずしも良好であったとはいえず、安芸府中支店長も、支部の組合活動が安芸府中支店にとって好ましからざるものであることと、X1が支部の組合活動の中心的役割を担っていたことを認識していたという状況の下で発令されたことも併せ考えると、むしろX1が正当な組合活動をしたことを理由にしてなされたと推認するのが相当である。
そして、X1は、本件異動命令後は、安芸府中支店の職場の問題に取り組むことが実際上困難となり、また、窓口担当正委員の任期を残していたにもかかわらず、窓口交渉の担当になることを安芸府中支店において拒否されたことからすれば、本件異動命令によって、本件異動命令以前と同様の組合活動を行うことは困難となったといえるから、本件異動命令によってX1には、組合活動上の不利益が生じたと認められる。
以上によれば、本件異動命令は労組法7条1号本文に該当する。
2 本件異動命令は労組法7条3号に当たるか
本件異動命令は、合理的な必要性がないにもかかわらず、支部の組合活動の中心的役割を担っていたX1を広島東支店へ異動させているところ、これが支部と安芸府中支店の労使関係は従来から必ずしも良好であったとはいえず、安芸府中支店長も、支部の組合活動が安芸府中支店にとって好ましからざるものであること、X1が支部の組合活動の中心的役割を担っていたことを認識していたという状況の下で発令されているから、これらを併せ考えると、本件異動命令は、支部の組合活動を抑制する効果を狙って行われたと推認せざるを得ない。そして、本件異動命令後の窓口交渉の回数、支部執行委員会の開催回数、安芸府中支店に対する要求書の提出回数は、本件異動命令以前のそれと比較して減少しているから、本件異動命令によって支部の組合活動が著しく減退したことが認められる。
以上によれば、本件異動命令は支配介入(労組法7条3号)に該当する。
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その他 |
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