概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(組合ビラ配付等)補助参加申出 |
事件番号 |
東京地裁平成20年(行ウ)第762号 (基本事件平成20年(行ウ)第762号) |
原告 |
東海旅客鉄道株式会社 |
被告 |
国(処分行政庁 中央労働委員会) |
被告補助参加人 |
ジェイアール東海労働組合 ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部 |
補助参加申出人 |
ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部大阪第三車両所分会 |
判決年月日 |
平成21年7月8日 |
判決区分 |
参加決定 |
重要度 |
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事件概要 |
中労委の救済命令を不服とした会社が提起した取消訴訟において、被告補助参加人及び補助参加申出人は、基本事件の訴訟の結果に利害関係を有しているとして、被告を補助するために参加の申立てをした。これに対し、会社は、権利義務の主体である団体の構成部分は当事者能力を有しないところ、補助参加申出人は、労働組合として権利義務の主体性を有する補助参加人の下部組織の一つにすぎず、当事者能力を有しないとして、異議を述べた事件である。東京地裁は、補助参加の申立てを許可した。 |
判決主文 |
補助参加申出人が被告を補助するために訴訟に参加することを許可する。 |
判決の要旨 |
1 民訴法29条は、いわゆる権利能力なき社団の当事者能力について規定するところ、当事者能力が認められる権利能力なき社団といえるためには、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定していることを要すると解するのが相当である。 2 補助参加申出人は、被告補助参加人東海労の下部組織である被告補助参加人新幹線関西地本の更にその下部組織であるが、構成員の変更とは無関係に存続する団体としての実態を有し、上記の各上部組織と同様の目的のほかに固有の目的を持ち、独自に制定した分会規約において構成員、代表の方法、多数決の原則による総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点を定め、同規約に則り、上部組織とは独立した組織運営、財産管理を行っている団体であると認められる。したがって、補助参加申出人は、民訴法29条の規定により当事者能力が認められる権利能力なき社団に当たると解するのが相当である。 なお、基本事件は、会社に被告補助参加人ら及び補助参加申出人に対するポストノーティスを命じた命令の取消しを求める事案であるから、補助参加人が基本事件の訴訟の結果について利害関係を有する第三社に当たることは、明白である。 4 以上によれば、補助参加申出人の基本事件についての補助参加の申立ては理由があるから、これを許可することとする。 |