概要情報
事件名 |
第10伏見織物加工 |
事件番号 |
京都地裁平成18(行ウ)7号 |
原告 |
京都-滋賀地域合同労働組合 |
被告 |
京都府(代表者兼処分行政庁 京都府労働委員会) |
被告補助参加人 |
伏見織物加工株式会社 |
判決年月日 |
平成18年12月22日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
①会社顧問が、労働委員会で証言した際に組合の執行委員長を侮辱する発言をしたこと、②会社が、組合に加入した者は解雇すると指示したこと及びこのことに関する団交申入れを拒否したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、京都府労委は、本件申立てを棄却又は却下した。 組合は、これを不服として京都地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は組合の請求を棄却した。 |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、補助参加によって生じた費用を含め、原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
① Y顧問の本件発言(中労委審問において証人として証言した際、X組合委員長について、「詐欺師のようなもんで」との発言)は、従業員Zが組合加盟書等に署名押印した経緯について、Zから聞いたことを発言した趣旨であると解されるところ、Zの上申書や陳述の内容等を勘案すると、Yが虚偽の事実を述べたとは認めることはできず、しかも、Yが、組合組織を弱体化させる意図に基づいて本件発言をしたということも、Yの本件発言が、組合活動に対する影響が大きいものであったということも認めるに足りないから、Yの本件発言をもって、組合に対する支配介入と評価することはできないとされた例。
② Y顧問は、会社と組合との間にはユニオン・ショップ協定があるから、会社の従業員が、当該組合以外の労働組合に加入することは許されないものと誤解し、そのような趣旨の発言をしたことがうかがわれるものの、Yが、本件申立日以前の1年間(法27条2項参照)に、誰に対してどのような発言をしたかは、具体的に明らかにされておらず、しかも、Yは、会社の人事部長を辞めて顧問となっており、従業員の人事管理に直接携わる立場にあったわけではないことから、仮にYが右の趣旨の発言をしたとしても、これをもって直ちに、会社が、組合に加入した者は解雇する旨の指示をしていたと 認めるには足りないとされた例。
③ 以上のとおり、会社には、組合に対する支配介入の不当労働行為があったとは認められず、この点に関して組合からの団体交渉に応じなかったことについても、団体交渉を不当に拒んだということはできないとされた。 |