事件名 |
JR東日本(千葉動労支配介入) |
事件番号 |
東京地裁平成 9年(行ウ)第197号
|
原告 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
国鉄千葉動力車労働組合 |
判決年月日 |
平成12年12月28日 |
判決区分 |
救済命令の全部取消し |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、会社のY1課長が、出向から会社に復帰する組合員X1に対
して実施した2回の面談の際、X1の復帰時配属先を希望どおりとすることの見返りに、組合からの脱退を勧奨したことが不当労
働行為であるとして申立てのあった事件である。
初審千葉地労委(昭和63(不)11、平2・6・18決定)は、会社に対し、管理職らをして、組合殻の脱退を勧奨するなど
して組合の運営に支配介入してはならないこと及び文書手交を命じ、中労委(平成2(不再)45、平9・6・18決定)もこれ
を維持したところ、会社はこれを不服として行政訴訟を提起した。
東京地裁は、会社の請求を認容し、中労委命令を取り消した。 |
判決主文 |
1 被告が中労委平成2年(不再)第45号事件について平成9年6
月18日付けでした命令を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とし、補助参加によって生じた費用は被告補助参加人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2620 反組合的言動
使用者は、労働者の団結権との関係において、客観的に見て、組合活動に対して萎縮的ないし威嚇的な態様程度にわたらないもの
である限り、従業員に対し、企業経営上の種々の事項に関する自己の見解を表明し、これに対する協力を求める等の言論活動をす
る言論の自由を保障されているものということができ、このような言論活動をもって、労働組合法七条三号にいう支配介入に該当
する不当労働行為と見ることはできないとされた例。
2620 反組合的言動
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
Y1課長の組合員に対する発言は、会社の業務の適正な遂行を訴える穏当な内容のものであって、その態様程度において組合活動
に対して萎縮的ないし威嚇的なものに当たらないことは明らかであるから、使用者の言論の範囲のものということはでき、不当労
働行為に当たるものということはできないとされた例。
2620 反組合的言動
6344 支配介入に関する不当労働行為の成否の判断の誤り
Y1課長の第2回面談における、組合員の所属組合の変更に関する発言は、組合員の所属組合への選択への関与を回避しようとし
たものにすぎないから、労働組合法七条三号にいう支配介入に該当する不当労働行為と見ることはできないとされた例。
|
業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集35集1021頁 |
評釈等情報 |
|