事件名 |
日通岐阜運輸 |
事件番号 |
岐阜地裁平成12年(行ウ)第17号
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原告 |
日通岐阜運輸株式会社 |
被告 |
岐阜県地方労働委員会 |
被告参加人 |
全日本建設交運一般労働組合日通岐阜運輸支部 |
判決年月日 |
平成14年 8月 7日 |
判決区分 |
救済命令の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合員4名に対して、自宅待機となる勤務指示及び
土曜日の通常勤務指定など他の運転手と異なる取扱いをしたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
岐阜地労委(平成11年(不)第2号、平成12・8・29決定)は、(1)自宅待機となる勤務指示及び土曜日の通常勤務指
定など他の運転手と異なる取扱いの禁止、(2)自宅待機となる勤務指示及び土曜日の通常勤務指定の取扱いをやめるまでの間、
組合員が他の運転手と平等な勤務を行ったものとしての時間外手当等のバックペイ及び(3)文書手交を命じたところ、会社はこ
れを不服として、行政訴訟を提起した。
岐阜地裁は、組合員4名のうち1名に係る救済部分を取消した。 |
判決主文 |
1 被告が日通岐阜運輸不当労働行為救済申立事件について、平成
12年8月29日付けでした救済命令中、X1に係る部分を取り消す。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用及び参加によって生じた費用は、原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
1302 就業上の差別
会社が、組合員4名に対して自宅待機となる勤務指示、土曜日の通常勤務指定等非組合員と異なる取扱いをしたことは、会社と組
合の従前からの紛争の経過、会社が組合員4名に対して行った措置の経緯及び内容からすると、組合員であることを理由になされ
たものと認められ、不当労働行為に当たるとした初審命令は相当である。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
組合の求める救済内容が組合員個人の雇用関係上の権利利益の回復という形をとっている場合には、組合が固有の救済利益を有す
るとしても、当該組合員の意思を無視してこれを実現させることはできないと解するのが相当であり、X1は組合を脱退し、自分
のことは自分で裁判を提起すると述べ、会社に対して損害賠償請求を提起していることが認められるから、本件命令中X1に係る
部分は救済を求めることができない。
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業種・規模 |
航空運輸業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集37集665頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2003年3月10日 1008号 41頁
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