事件名 |
まつやセロファン |
事件番号 |
広島高裁平成13年(行コ)第2号
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控訴人 |
まつやセロファン株式会社 |
被控訴人 |
広島県地方労働委員会 |
被控訴人参加人 |
全国一般広島県西部労働組合まつやセロファン支部 |
被控訴人参加人 |
全国一般労働組合広島地方本部広島県西部労働組合 |
判決年月日 |
平成13年11月 8日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、広島地労委において交わされた和解協定書の趣旨に
反して、団体交渉において具体的資料を提出せず、組合の質問に対して回答しないなど不誠実な対応を行ったことが不当労働行為
であるとして争われた事件である。
広島地労委(平成9年(不)第2・3号、平成11・3・25決定)は、申立てを全部救済したところ、会社はこれを不服とし
て行政訴訟を提起した。
原審の広島地裁(平12・12・27判決)は、広島地労委命令を支持したため、会社が控訴したが、広島高裁は、控訴を棄却
し、原審を維持した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2240 説明・説得の程度
会社は、組合の平成9年1月16日要求書による12項目の団体交渉事項にたいしては、単にこれらに応じるか否かを説明すれば
足りるものではなく、その具体性や追求の程度に応じた回答をなし、必要によってはその論拠を示したり必要な資料を提示する必
要があり、誠実な対応を尽くしたものとはいえないとして、これらの行為を不当労働行為に当たるとした原判決が維持された例。
2241 他の係争事件の存在
組合から平成9年度春闘賃上げに関する要求書を平成9年3月4日付けで受けているものの、毎年春の賃上げは5月分からであ
り、その人事考課期間が4月15日までであるから、組合の主張する期間に団体交渉を設定することはできず、平成9年5月2
日、14日及び19日に団体交渉を開催し、回答できる可能なことはすべて回答しているとの会社の主張について、会社の対応は
不誠実なものであるとして、これらの行為を不当労働行為に当たるとした原判決が維持された例。
2241 他の係争事件の存在
平成9年度夏季一時金要求については、平成9年7月8日に団体交渉を開催し、回答できる可能なことはすべて回答しているとの
会社の主張について、会社の対応は不誠実なものであるとして、これらの行為を不当労働行為に当たるとした原判決が維持された
例。
2620 反組合的言動
団体交渉交渉における対応には組合の運営に支配介入しようとする意思は全く存在しないとの会社の主張について、会社の団体交
渉における対応を支配介入の不当労働行為に当たるとした原判決が維持された例。
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業種・規模 |
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掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集36集908頁 |
評釈等情報 |
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