事件名 |
大阪労働衛生センター第一病院 |
事件番号 |
東京地裁平成11年(行ウ)第27号
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原告 |
財団法人大阪労働衛生センター第一病院 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
大阪医療労働組合 |
判決年月日 |
平成13年 8月 8日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、大阪労働衛生センター第一病院(以下「病院」という。)
が、(1)大阪医療労働組合(以下「組合」という。)との間で締結された確認書に記載する団体交渉合意事項を履行しなかった
こと、(2)分会員である臨床検査科長X1を科長から一般科員に降格したことが、それぞれ不当労働行為であるとして争われた
事件である。初審大阪地労委(平6(不)78、平8・12・27決定)は、病院に対して、確認書記載事項の速やかな履行及び
臨床検査科長の降格等に関する文書交付を命じたことろ、病院は、再審査を申し立てた。中労委(平9(不再)3、平10・
12・16決定)は、初審命令を維持し、再審査申立てを棄却したところ、病院から行政訴訟が提起されいたものであるが、東京
地裁は、病院の請求を棄却した |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、補助参加によって生じた費用を含め、原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
2901 組合無視
組合が掲示した文書等を契機として、組合との団体交渉での確認書調印直後から、病院と組合との間で文書やビラによる激しい応
酬がなされ、両者の対立が強まっていたこと等からみて、病院は、確認書中の確認事項の履行を意図的に放棄又は遅延していたと
認めざるを得ず、病院の確認事項に対する対応は、対立関係にあった組合を軽視し、組合の弱体化を図ったものであり、労組法七
条三号に該当する不当労働行為であるとされた例。
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
科長が降格願いを提出し、管理職の職責を抛棄する態度を示したからといって、科長の職から一挙に一般科員にまで降格させた病
院の処分に合理性を見出せないこと、また、降格処分前に病院と組合との間での対立関係が強まっていた状況の下で、科長が初め
てビラまきという組合員としての行動をとり、この行動について病院長が科長職として不適との見解を示したのに対して、科長が
降職願いを提出するという態度をとったことを併せ考えると病院が科長から一挙に一般科員へと降格させたのは、病院の組合活動
を嫌悪したためであり、科長が降転願の提出したのを奇貨として行った不利益取扱いであり、労組法七条一号及び三号に該当する
不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集36集561頁 |
評釈等情報 |
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