事件名 |
日本電信電話 |
事件番号 |
高松高裁平成10年(行コ)第6号
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控訴人 |
四国電気通信産業合同労働組合 |
被控訴人 |
徳島県地方労働委員会 |
被控訴人参加人 |
日本電信電話株式会社 |
判決年月日 |
平成11年 4月12日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、申立人組合の組合員5名に対する懲戒処分、文書注意処分が
争われた事件で、徳島地労委の棄却命令(8・3・8決定)を徳島地裁が支持した(10・1・23)ため、これを不服として組
合が控訴していたが、高松高裁は控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
0208 暴力・不穏当な言動を伴った組合活動
暴力の行使は、いかなる場合にも労働組合の正当な行為と解せないから、Y1副支店長の喫煙注意に対して、肩をぶつけたり、肘
で突いたり、胸倉をつかんでコートの襟を破るなどした組合員X1の行為は、正当な組合活動として許される余地はなく、他の4
名の組合員についても同様に、正当な組合活動としての抗議行動の範囲を逸脱しているとした原判決が維持された例。
0203 職場闘争と業務妨害
副支店長席での抗議行動につき、Y1副支店長の再三の退去要求に応じず続けた結果、Y1は予定業務をすべて中止せざるを得
ず、他の従業員の業務遂行にまで影響を与えたことが推察されるから正当な組合活動とは認められないとした原判決が維持された
例。
1400 制裁処分
非違発覚後4か月を経過してなされた本件懲戒処分について、原則として非違発覚後2か月以内に処分を行わなければならない旨
の懲戒規程等は、処分は可及的速やかに行うべき旨の訓示規定と解され、事案により例外もやむを得ず、非違行為者が複数でかつ
暴力行為に及んでいる本件の特異性から十分時間をかけ調査・検討を尽くす必要があったから、2か月の原則的期間を超えたから
といって直ちに懲戒規程等に違反しているとはいえないとした原判決が維持された例。
1400 制裁処分
以上からX1ら組合員5名に対する本件懲戒処分等は、労組法七条一号の不利益取扱いとはいえず、さらにまた、本件懲戒処分等
には労組法七条三号の支配介入の事情も認められないとした原判決が維持された例。
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業種・規模 |
郵便業、電気通信業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集34集308頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1999年7月10日 955号 66頁
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