概要情報
事件名 |
ネッスル(東京販売事務所・島田工場) |
事件番号 |
東京高裁平成 2年(行コ)第75号
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控訴人 |
ネッスル 株式会社 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
ネッスル日本労働組合 |
被控訴人参加人 |
ネッスル日本労働組合島田支部 |
被控訴人参加人 |
ネッスル日本労働組合東京支部 |
判決年月日 |
平成 3年 1月30日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が(1)組合から団体交渉の申入れがあったにもかかわらず、会社内には同一名称の別組合しか存在しないとの理由により団体交渉を拒否したこと、(2)組合及び組合員から中止の申入れがあったにもかかわらず、組合員の給与から組合費をチェック・オフし、これを別組合に交付したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審東京及び静岡地労委の各一部救済命令に対し、会社・組合の双方から再審査の申立てがなされ、中労委は、チェック・オフした組合費相当額に年5分の割合による金員を付加することなど一部変更したほかは、初審命令を維持したところ、会社はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起し、同地裁は、これを棄却したため、会社はこれを不服として控訴していたが、東京高裁は、中労委の命令を支持し、控訴人の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
3104 別組合利用・別組合員宅訪問
4603 その他
旧組合が事実上2つの労組となり、その一方労組の組合員からチェック・オフの中止の申し入れがあった場合、チェック・オフ協定の効力は当該組合員に及ばないから、当該チェック・オフした組合費を別組合に交付することは不当労働行為である。
2114 組合の不存在
2246 併存団体との関係
客観的に見て会社内に2つの独立した組合が存在し、会社はそれぞれについて団交応諾義務を有しているにもかかわらず会社内には同一名称の一方の組合であるネッスル労組とネッスル労組東京支部なる組合は存在しないとして団交を拒否したことは、正当な理由なく団交の開催を拒否するものであって、労組法7条2号所定の不当労働行為に該当するとした原判決は相当である。
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業種・規模 |
飲料・たばこ・飼料製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集26集71頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 826号 40頁 
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