労働委員会関係裁判例データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[判例一覧に戻る]  [顛末情報]
概要情報
事件名  西福岡自動車学校 
事件番号  福岡地裁平成 5年(行ウ)第17号 
原告  株式会社 西福岡自動車学校 
被告  福岡県地方労働委員会 
被告参加人  全国一般労働組合福岡地方本部 
判決年月日  平成 7年 9月20日 
判決区分  救済命令の一部取消し 
重要度   
事件概要  本件は、腕章着用闘争への参加等を理由とする組合員への懲戒処分をめぐって争われた事件で、福岡地労委の救済命令(元・9・26決定)を不服として学校が行訴を提起したところ、福岡地裁は学校の請求を一部認容し、同救済命令を一部取り消した。 
判決主文  1 補助参加人を申立人、原告を被申立人とする福岡労委平成3年(不)第6号不当労働行為 救済申立事件について被告が平成5年6月21日付をもってなした別紙命令書記載の命令中、 主文第1項を取り消す。
2 原告のその余の請求を棄却する。
3 訴訟費用中、参加によって生じた費用はこれを2分し、その1を原告の、その余を補助参 加人の各負担とし、その余の費用はこれを2分し、その1を原告の、その余を被告の各負担 とする。 
判決の要旨  0210 リボン・ワッペン等の着用
労働者は労働契約に基づき、就業時間中は職務専念義務を負うから、就業時間中に組合活動を行うことはその具体的態様にかかわらず右職務専念義務に反し、使用者の明示・黙示の承諾や労使慣行の成立などの特別の事情がない本件腕章着用闘争は労働組合の正当な行為には当たらないとされた例。

1400 制裁処分
労働者は労働契約上企業秩序維持に協力する一般的義務を負い、始末書等提出の強制が労働者の人格を無視し、意思決定ないし良心の自由を不当に制限するものでない限り、使用者は非違行為をなした労働者に対して始末書等の提出を命ずることができ、労働者が正当な理由なくこれに従わない場合は、これを理由として懲戒処分をすることができるとされた例。

1400 制裁処分
第一次懲戒処分を行った当時、学校が分会に対し嫌悪感を抱いていたこと等が認められるが、右懲戒処分と組合員の行った行為との間には十分な均衡がとれていることを考えれば、これらの事情のみでは、学校が不当労働行為意思を決定的動機として第一次懲戒処分を行ったものとすることはできないとされた例。

1400 制裁処分
学校がそれまで繰り返していた警告書の交付を止めて譲歩する姿勢を示して本件和解を成立させ、懇親会まで開いて将来の労使協調路線について懇談したにもかかわらず、その後突如として第二次懲戒処分を行ったことは、本件和解の趣旨に反するものであり、かつ、依然として学校が分会に対し嫌悪感を抱き、社友会会員を優遇する態度を有していたことからみて、不当労働行為に当たるとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集30集423頁 
評釈等情報  労働関係民事裁判例集 46巻5・6号 1233頁 

[先頭に戻る]

顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
福岡地労委平成 3年(不)第6号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  平成 5年 6月21日 決定 
 
[全文情報] この事件の全文情報は約317KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。