概要情報
事件名 |
第一学習社 |
事件番号 |
広島地裁昭和52年(行ウ)第9号
広島地裁昭和52年(行ウ)第12号
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原告 |
株式会社 第一学習社 |
被告 |
広島県地方労働委員会 |
被告参加人 |
出版労連第一学習社労働組合 他9名 |
判決年月日 |
昭和60年10月 8日 |
判決区分 |
救済命令の一部取消し |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)X1ら10名の組合員に対する賃金差別、(2)X2ら2名の組合員に対する昇格差別、(3)X2ら15名の組合員に対する一時金減額措置、(4)組合員X3に対する出勤停止処分及び配置転換が争われた事件で、広島地裁は(1)行為に関する救済命令の一部を取消した他は、初審広島地労委の救済命令を支持して会社側の請求を棄却した。 |
判決主文 |
一 被告が広労委昭和50年(不)第一号事件について、昭和52年2月19日付けでした命令の主文第1項のうち、X4に関する部分を取消す。 二 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 三 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
1202 考課査定による差別
組合員9名の新基本給を低く査定したことは、第一次査定者が別組合に属していること、査定後の調整が別組合員に有利に手直しされていると窺われること等からすると不利益取扱いである。
1202 考課査定による差別
組合員X4の新基本給の決定は、学歴、年齢、別組合員の査定等からみて不当労働行為ということはできない。
6342 不利益取扱いに関する不当労働行為の成否の判断の誤り
組合員X4の新基本給の決定は、学歴、年齢、別組合員の査定等からみて不当労働行為ということはできず、これを不当労働行為に当たるとした命令は取消しを免れない。
1200 降格・不昇格
委員長及び副委員長を主任に昇格させなかったことは、会社における主任昇格が賃上げの性格が強いこと、両名が主任として不適格と認めがたいこと等からすれば、不利益取扱いにあたる。
5006 採用の請求
主任への昇格が給与面における優遇措置の性格が強く、不当労働行為がなければ組合員が主任に昇格されたであろうことが強く推認できる場合、労委が組合員を主任として取り扱うよう命じても、会社の人事権を制約したり介入したものとはいえない。
1400 制裁処分
勤務上の不始末、始末書の提出拒否を理由に副委員長を出勤停止処分に付したことは、勤務上の不始末が重大なものといえず、始末書提出の根拠が乏しいことなどからすると不利益取扱いである。
1300 転勤・配転
副委員長を編集部から総務部の単純作業に配転したことは、同人が編集担当者として不適格であったとは認められず、同人を正当に処遇するものともいえないことからすると不当労働行為に当たる。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集20集320頁 |
評釈等情報 |
労働判例 467号 80頁 
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