通知

厚生労働省発中1213第6号
令和元年12月13日
都道府県労働委員会会長 あて
中央労働委員会会長
( 公 印 省 略 )

労働委員会規則の一部を改正する規則の施行について

今般、当委員会は、労働委員会規則の一部を改正する規則(令和元年中央労働委員会規則第1号)を定めた。
 今回の規則の改正は、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第16号)の施行に伴い、労働委員会規則(昭和24年中央労働委員会規則第1号)の規定(第10章の2)を整備するものであり、令和元年12月13日に公布され、同法の施行の日(令和元年12月16日)から施行される。
 その要諦は下記のとおりであるので、御留意の上、その円滑な施行につき御配慮を願いたい。

1 経緯
 本年5月31日、情報通信技術を活用し、行政手続の利便性の向上や行政運営の簡素化・効率化を図るため、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成14年法律第151号。以下「情報通信技術利用法」という。)、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)等を一括して改正することを内容とする、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律が公布された。
 従来より、情報通信技術利用法の委任に基づき、労働委員会規則において、労働委員会に係る申請等、処分通知等及び縦覧等のオンライン化の方法等について規定されていたところであるが、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律により、情報通信技術利用法の題名が、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(以下「情報通信技術活用法」という。)に改められたこと、対面による本人確認・原本確認の必要性等から申請等及び処分通知等の一部についてオンラインにより行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合として主務省令で定める場合には、当該部分を除いた部分についてのみオンライン規定を適用することとする規定が設けられたこと等から、労働委員会規則について所要の規定の整備を行う必要が生じたものである。

2 情報通信技術活用法の概要
 情報通信技術活用法は、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るため、以下の事項等を定めるものである。

(1)情報通信技術を活用した行政の推進に当たっての基本原則(情報通信技術活用法第2条関係)
 行政事務等の遂行に用いられる情報を書面等からデータへと転換することにより、公共分野における情報通信技術の活用を図るとともに社会生活の利便性の向上及び事業活動の効率化を推進することが、急速な少子高齢化の進展への対応等の社会課題の解決にとって重要であることに鑑み、情報通信技術を活用した行政の推進は、以下の3つの基本原則を旨として行わなければならないこととされた。
 @ デジタルファースト原則(第1号)
 A ワンスオンリー原則(第2号)
 B コネクテッド・ワンストップ原則 (第3号)

(2)情報システム整備計画に従った情報システムの整備(情報通信技術活用法第4条・第5条関係)
 政府は、国の行政機関等の情報システムの整備を総合的かつ計画的に実施するため、情報システムの整備に関する計画(以下「情報システム整備計画」という。)を作成しなければならず(情報通信技術活用法第4条第1項)、国の行政機関等は、政府の作成する情報システム整備計画に従って情報システムを整備しなければならないこととされた(情報通信技術活用法第5条第1項)。
 なお、今後、情報システム整備計画は、閣議決定され、公表される予定である。
 地方公共団体は、国の行政機関等が講ずる「情報システム整備計画」に従った情報システム整備等の措置に準じて必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととされた(情報通信技術活用法第5条第4項)。

(3)電子情報組織による申請等及び処分通知等(情報通信技術活用法第6条・第7条関係)
 @ 書面等や出頭、口頭等その他の方法により行うこととされている申請等及び処分通知等をオンラインにより行うことができることとされた(情報通信技術活用法第6条第1項・第7条第1項)。
 A 申請等及び処分通知等のうち他の法令の規定において署名等をすることが規定されているものをオンラインで行う場合の署名等の代替措置について主務省令に委任された(情報通信技術活用法第6条第4項・第7条第4項)。
 B 対面による本人確認・原本確認の必要性等から申請等及び処分通知等の一部についてオンラインにより行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合として主務省令で定める場合には、当該部分を除いた部分についてのみオンライン規定を適用することとされた(情報通信技術活用法第6条第6項・第7条第5項)

3 労働委員会規則の一部を改正する規則の概要

(1)申請等及び処分通知等の指定(第85条の3・第85条の9)
 情報通信技術利用法から情報通信技術活用法への題名の変更や条番号の整理等を行ったものである。

(2)申請等及び処分通知等に係る電子情報処理組織の内容(第85条の4・第85条の10)
 情報通信技術活用法第6条第1項に規定する申請等に係る電子情報処理組織は、申請等が行われるべき委員会の使用に係る電子計算機と申請等をする者の使用に係る電子計算機であって当該委員会の使用に係る電子計算機と接続した際に当該委員会から付与されるプログラムを正常に稼働させられる機能(当該委員会からプログラムが付与される場合に限る。)を備えているものとを電気通信回線で接続したものと規定したものである(同法第7条第1項に規定する処分通知等に係る電子情報処理組織についても同様)。

(3)申請等及び処分通知等の入力事項等(第85条の5・第85条の11)
 情報通信技術利用法から情報通信技術活用法への題名の変更や条番号の整理等を行ったものである。
 なお、第85条の5第1項の「前条に規定する電子計算機」は、「申請等をする者の使用に係る電子計算機であって当該委員会の使用に係る電子計算機と接続した際に当該委員会から付与されるプログラムを正常に稼働させられる機能(当該委員会からプログラムが付与される場合に限る。)を備えているもの」(第85条の4)をいう。
 また、第85条の11の「前条に規定する委員会の使用に係る電子計算機」は、処分通知等を行う「委員会の使用に係る電子計算機」(第85条の10)をいう。

(4)電子署名等(第85条の6)

 申請等について、本人確認手法に当たる措置として、改正前の電子署名方式又は識別番号及び暗証番号方式に加え、生体認証符号等を使用する方式を追加することとしたものである。

(5)申請等及び処分通知等をオンラインで行う場合の署名代替措置(第85条の7)
 情報通信技術活用法第6条第4項に規定する申請等に係る署名等に代わる措置は、次に掲げるものと規定したものである。
 @ 電子署名を行い、電子証明書を申請等と併せて送信すること
 A 識別番号及び暗証番号を入力すること
 B 識別番号及び暗証番号を入力し生体認証符号等を使用すること
 C 識別番号を入力し生体認証符号等を使用すること
 情報通信技術活用法第7条第4項に規定する処分通知等に係る署名等に代わる措置は、電子情報処理組織を使用して行う処分通知等に記録された情報に電子署名を行い、電子証明書を添付することとする。

(6)申請等及び処分通知等において部分的にオンラインで行うことができない場合(第85条の8・第85条の13)
 情報通信技術活用法第6条第6項に規定する申請等のうち、電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合とは、次に掲げる場合とする。
 @ 申請等をする者について対面により本人確認をする必要があると申請等が行われるべき委員会が認める場合
 A 申請等に係る書面等のうちにその原本を確認する必要があるものがあると申請等が行われるべき委員会が認める場合
 B 申請等に係る事項に虚偽がないかどうかを対面により確認する必要があると申請等が行われるべき委員会が認める場合
 情報通信技術活用法第7条第5項に規定する処分通知等のうち、電子情報処理組織を使用する方法により行うことが困難又は著しく不適当と認められる部分がある場合とは、次に掲げる場合とする。
 @ 処分通知等を受ける者について対面により本人確認をする必要があると委員会が認める場合
 A 処分通知等に係る書面等のうちにその原本を交付する必要があるものがあると委員会が認める場合

(7)電子情報処理組織を使用する方法により処分通知等をオンラインで受ける旨の表示の方式(第85条の12)
 情報通信技術活用法第7条第1項ただし書に規定する電子情報処理組織を使用する方法により処分通知等を受ける旨の表示の方式とは、次に掲げるいずれかの方式と規定したものである。
 @ 電子情報処理組織を使用して行う識別番号及び暗証番号の入力
 A 電子情報処理組織を使用する方法により処分通知等を受けることを希望する旨の委員会の定めるところにより行う届出

(8)縦覧等の方法(第85条の14)
 情報通信技術利用法から情報通信技術活用法への題名の変更や条番号の整理を行ったものである。



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