中央労働委員会における外部の労働者からの公益通報に対する事務手続に関する訓令

○中央労働委員会訓第1号

中央労働委員会における外部の労働者からの公益通報に対する事務手続に関する訓令を次のように定める。

平成23年2月7日
平成23年4月1日 一部改正
平成23年4月5日 一部改正

中央労働委員会会長 菅野 和夫

中央労働委員会における外部の労働者からの公益通報に対する事務手続に関する訓令

目次

第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 公益通報の受付・受理等(第3条−第9条)
第3章 調査及び措置(第10条−第12条)
第4章 雑則(第13条−第15条)
附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この訓令は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という  。)の施行に関し、中央労働委員会において、外部の労働者からの法に基づく公益通報を適切に処理するために必要な手続を定めるものとする。

(定義)

第2条 この訓令において「外部の労働者」とは、法第2条第3項に定める通報対象事実に関係する事業者に雇用されている労働者、当該事業者を派遣先とする派遣労働者及び当該事業者の取引先の労働者をいい、厚生労働省における内部の職員等からの法令違反行為に関する通報に対する事務手続に関する訓令(平成18年厚生労働省訓第9号)第2条第1項に規定する内部の職員等を除く。

2 この訓令において「相談」とは、外部の労働者が通報に先立ち中央労働委員会から必要な助言を受けることをいう。

3 この訓令において「受付」とは、外部の労働者からの相談及び通報を受けることをいい、次項に規定する受理を除く。

4 この訓令において「受理」とは、外部の労働者からの通報を、法第3条第2号に定める公益通報として受け付けることをいう。

5 この訓令において「主管課等」とは、厚生労働省組織令(平成12年政令第252号)の規定により事務局に置かれる課の長、厚生労働省組織規則(平成13年厚生労働省令第1号)に規定する室の長、特定独立行政法人等審査官及び労働組合法(昭和24年法律第174号)の規定により事務局に置かれる地方事務所の長並びに中央労働委員会事務局の内部組織に関する訓令(平成13年厚生労働省・中央労働委員会訓第1号)の規定により置かれる室であって、別に総務課長が定めるものの長をいう。

第2章 公益通報の受付・受理等

(受付の範囲)

第3条 中央労働委員会は、外部の労働者からの相談及び通報を受け付けるものとする。ただし、当該通報対象事実について都道府県労働委員会及び厚生労働省内部部局並びにその他の行政機関(以下「他の行政機関」という。)が処分又は勧告等をする権限を有するときは、この限りでない。

2 前項ただし書の場合には、中央労働委員会は、遅滞なく、権限を有する他の行政機関を教示するものとする。

(通報相談窓口の設置)

第4条 総務課に、外部の労働者からの相談又は通報を受け付ける窓口(以下「通報相談窓口」という。)を置く。

2 前項の規定は、主管課等が通報相談窓口を経由しないでなされた外部の労働者からの相談又は通報を受け付けることを妨げるものではない。

(通報相談窓口の事務)

第5条 通報相談窓口は、受け付けた相談又は通報の内容により、次の各号のいずれかの措置を講ずるものとする。

一 適切な主管課等に相談又は通報を取り次ぐこと。

二 他の行政機関の所管する法律に係る相談又は通報である場合その他主管課等が権限を有しない場合において、当該権限を有する他の行政機関を遅滞なく教示することその他適切な措置を講ずること。

(主管課等の事務)

第6条 主管課等は、外部の労働者から、相談又は通報の内容となる事実の詳細その他必要な情報を聴取するものとする。

2 主管課等は、相談又は通報の聴取に際して、外部の労働者の秘密は保持されることを当該外部の労働者に対し説明するものとする。

3 主管課等は、相談又は通報に係る通報対象事実について、処分又は勧告等をする権限を有しない場合、当該権限を有する他の行政機関を遅滞なく教示するものとする。

第7条 主管課等は、外部の労働者からの通報を法に基づく公益通報として受理したときは受理した旨を、受理しないときは受理せず情報提供として受け付ける旨を、当該外部の労働者(以下この条及び第3章において「通報労働者」という。)に対し、遅滞なく通知しなければならない。

2 主管課等は、通報労働者からの通報を法に基づく公益通報として受理したときは、公益通報の受理から処理の終了までに必要と見込まれる期間を、通報労働者に対し、遅滞なく通知するよう努めるものとする。

3 前項の期間は3箇月以内とするものとする。ただし、当該公益通報の処理を3箇月以内に終えることが困難であると見込まれるときは、当該処理を行うために必要と見込まれる期間とするものとする。

4 次の各号のいずれかに該当する通報は、法に基づく公益通報として受理せず情報提供として受け付けるものとする。

一 法及びこの訓令に定められた要件を満たさない通報(匿名の通報その他通報労働者を特定することができない通報を含む。)

二 内容が著しく不分明な通報

三 内容が虚偽であることが明らかな通報

第8条 公益通報を受理した主管課等は、通報対象事実整理票(別紙様式 PDF:98KB)に所要の事項を記録しなければならない。

第9条 公益通報を受理した後において、主管課等ではなく他の行政機関が処分又は勧告等をする権限を有することが明らかになったときは、当該主管課等は当該権限を有する当該他の行政機関を、通報労働者に対し、遅滞なく教示しなければならない。この場合において、当該教示を行う主管課等は、法執行上の問題がない範囲において、自ら作成した当該通報に係る資料を通報者に提供するものとする。

第3章 調査及び措置

(調査の実施)

第10条 公益通報を受理した主管課等は、通報労働者を保護するため、通報労働者が被通報者又はその関係者に特定されないよう十分に配慮しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行う。

2 主管課等は、調査の進捗状況を、適切な法執行の確保、利害関係人の営業秘密、信用、名誉及びプライバシー等に配慮しつつ、通報労働者に対し、通知するよう努めなければならない。

3 主管課等は、調査終了後、速やかに調査結果を取りまとめ、その結果を、適切な法執行の確保、利害関係人の営業秘密、信用、名誉及びプライバシー等に配慮しつつ、通報労働者に対し、遅滞なく通知するよう努めなければならない。

(調査結果に基づく措置)

第11条 主管課等は、通報対象事実があると認めるときは、速やかに法令に基づく措置その他適切な措置を採るものとする。

2 主管課等は、前項の措置の内容を、適切な法執行の確保、利害関係人の営業秘密、信用、名誉及びプライバシー等に配慮しつつ、通報労働者に対し、遅滞なく通知するよう努めなければならない。

(協力義務)

第12条 中央労働委員会は、通報対象事実に関し、処分又は勧告等をする権限を有する行政機関が中央労働委員会の他にある場合においては、当該他の行政機関と連携して調査を行い、又は措置を採る等、相互に緊密に連絡し協力する。

2 中央労働委員会は、他の行政機関その他の機関から、公益通報に関する調査等の協力を求められたときは、正当な理由がある場合を除き、必要な協力を行うものとする。

第4章 雑則

(公益通報以外の通報)

第13条 この訓令の規定は、中央労働委員会が、法令遵守を図るため、法及びこの訓令に定められた要件を満たさない通報を受け付けることを妨げるものではない。この場合においては、通報労働者等の保護その他通報の適切な処理を図る観点から、この訓令に規定する手続に準じて、当該通報を処理するよう努めるものとする。

2 前項の規定にかかわらず、外部の労働者以外の者から中央労働委員会に対してなされた通報が法第3条第2号に掲げる要件を満たしていると認めるときは、主管課等は法第10条第1項に規定する必要な調査及び適当な措置をとるよう努めるものとする。

(通報関連文書の管理)

第14条 公益通報の処理に係る記録及び関係資料については、中央労働委員会保有個人情報管理規程(平成17年中央労働委員会訓第1号)及び中央労働委員会行政文書管理規則(平成23年中央労働委員会訓第2号)に基づき適切な方法で管理しなければならない。

(利益相反の排除)

第15条 公益通報処理に従事する職員は、公益通報に関する秘密を漏らしてはならない。また、自らが関係する公益通報の処理に関与してはならない。

附則
(施行期日)

この訓令は、公布の日から施行する。

附則(平成23年中央労働委員会訓第2号)
(施行期日)

1 この訓令は、平成23年4月1日から施行する。
(現行規程の廃止)
2 中央労働委員会行政文書管理規則(平成23年中央労働委員会訓第2号)の施行により、中央労働委員会文書管理規程(平成13年中央労働委員会訓第2号)は廃止する。

附則(平成23年中央労働委員会訓第3号)
(施行期日)

この訓令は、公布の日から施行する。

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