平成22年2月24日

中央労働委員会事務局調整第一課

課長    中山 明広

労働専門職 櫻井 忠房

Tel 03-5403-2126

Fax 03-5403-2262

労働委員会で扱った平成21年の調整事件件数について

─── 景気の影響を受け、労働委員会の取扱い件数が平成に入り最大 ───

全国の労働委員会が扱った平成21年の調整事件は、労働組合と使用者の間の集団的労使紛争の取扱(あっせん等)件数は733件と平成以降で最大、また、個々の労働者と使用者の間の個別労働関係紛争のあっせん取扱件数も534件と制度発足(平成13年)以降最も多い件数を記録した。

内容的には、解雇、賃金等に係るものが増えており、一昨年秋のリーマンショックによる景気後退の加速、雇用情勢の深刻化の影響を受けたものと考えられる。

1 集団的労使紛争のあっせん等

(1) 集団的労使紛争の取扱件数(新規係属件数)は、733件と前年(552件)より33%増となった。平成に入ってからは11年の661件が最も多かったので、これは、平成以降で最も多い。

〈表1参照〉(PDF:43KB)

(2) 事件の内容については、「解雇」が191件(前年132件、45%増)、「賃金」が346件(前年250件、38%増)と大幅に増加した。

 また、合同労組(※1)が関係する事件が487件(前年375件、30%増)、特にこれらのうち駆込み訴え事件(※2)が269件(前年181件、49%増)となっており、個々の労働者に係る紛争を背景にした事件が増加していることが伺われる。

〈表2、表3参照〉(PDF:69KB)

2 個別労働関係紛争のあっせん

(1) 東京、兵庫、福岡を除く44の道府県労働委員会では、個別労働関係紛争のあっせんを行っているが、平成21年のあっせん件数は534件(前年445件、20%増)と、制度発足以来最も多くなった。

〈表4参照〉(PDF:40KB)

(2) 主な内容については、「年次有給休暇」(主に残余日数の買い上げ)が40件(前年16件、150%増)、「整理解雇」が78件(前年39件、100%増)、「賃金未払い」が114件(前年81件、41%増)と増加率が高くなっている。

〈表5参照〉(PDF:92KB)

※1「合同労組」とは、地域単位で企業の枠を超えて労働者を組織する労働組合を言い、主に中小企業の労働者が個人加盟しているのが特徴。具体的には「合同労組」、「一般労組」、「地域ユニオン」などと呼ばれているものである。

※2「駆込み訴え事件」とは、労働者が解雇等された後に合同労組に加入し、当該組合が当該解雇等についてあっせんの申請等を行う事件を指す。


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