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平成22年度 自殺防止対策事業 実施状況

 平成22年度は 12団体で実施されました。その活動状況を紹介します。(このページの記載内容は、各団体において作成されたものです。)

団体名 一般社団法人日本いのちの電話連盟
事業名 フリーダイヤル「自殺予防いのちの電話」

     平成22年度活動内容の概要
 自殺予防に特化した「いのちの電話0120-738-556」活動を全国約7,300人の電話相談員が毎月10日24時間取り組み、相談件数は27,200件を受ける共に、各地では公開講座を開催、一般市民を対象にいのちの大切さを訴えている。ネットワーク構築事業として日本自殺予防学会と自殺予防シンポジウムを開催した。国庫補助対象外であるが第13回アジア(日本・韓国・台湾)電話カウンセリング国際会議を開催。
 成果:全国のいのちの電話がネットワーク化されているため、各地の行政とコラボレーションで自殺予防事業を長期に亘り継続的に取り組んでいること。

団体名 NPO法人北九州ホームレス支援機構
事業名 路上パトロール及び自立生活サポートセンターの生活支援による自殺防止対策事業

平成22年度活動内容の概要・成果
◇事業を実施するにあたって
 自殺のリスクの高い、ホームレスおよび地域で生活する困窮・孤立者に対する、精神的、物理的支援を実施することにより、追いつめられた人の早期発見、早期支援を行うことによって、自殺防止に寄与することを目的として活動を実施した。
≪当法人の3つのミッション≫
(1) 路上の生活困窮者(ホームレス層)に対する支援
(2) 孤独・孤立状態にある者への関係構築支援
(3) 困窮孤立者を生まない社会作り

自殺の防止の取り組みとして、以下を行った。

路上パトロールによる路上生活者への支援強化
自殺リスクの高い状態にある路上生活者に対して、パトロールを実施した。
・炊き出し及びパトロールで出会った方 3,625人/年 開催回数 31回/年
・ボランティア参加者 年間のべ3,992人
・自立者数  307人(年度計)

地域困窮・孤立者への支援
自立生活において孤立から自死に至らないよう、自立後の支援を実施した。
・サポート対象者人数 788人(2011年3月末)
・サポート対応件数  26,726件
  うち、希死念慮者への対応 1,390件
≪具体的支援内容≫
・臨床心理士との連携による心の相談室への同伴支援
・精神保健福祉相談員との連携による病院受診支援
・日常の見守りや声かけ
・年賀状、暑中見舞いの発送
各種サポートを行うためのスキルアップ研修
◇ボランティアを含めた全体に対する研修会を実施した。
研修日時:3月20日〜21日    参 加 者:37名
研修内容:(1)現在の時代状況の分析と課題について
       (2)今後の困窮・孤立者への支援内容について
       (3)全体討議と共有
◇他団体が実施する自殺防止関連の研修に参加した。参加者:12名
(2011年3月15日開催・北九州市精神保健福祉センター主催)
本事業を周知するための広報活動
本自殺防止対策事業及び困窮孤立者支援について、広報を行った。
(1)チャリティコンサート  場所:下関市  参加者:680名
(2)講演会  場所:北九州市 参加者:496名
(3)チャリティコンサート  場所:北九州市 参加者:108名
広く活動を知らせるためのコンサートと講演会を実施した。
とくに、チャリティコンサートでは、自立をすでに果たされた元野宿者の参加も多数あった(下関開催 約50名、北九州開催 約60名)。出演者との事前打ち合わせにおいて、いのちを感じ、生きることについて前向きに考えることができる曲目とトークをしていただくように依頼した。その結果、「元気が出た」「自分は一人ではない」という感想を多数もらうことができた。これは、自立を果たされた方だけでなく、多くの方に届いたメッセージであると考えている。
また、講演会では、人とのつながりの大切さ、ともに生きることについて考える内容として企画をし、参加された多くの方に伝えることができた。

《炊き出し・路上パトロール》

テントの訪問 お弁当の配付
テントの訪問 お弁当の配付
炊き出しでの相談 炊き出しでの医薬品配付
炊き出しでの相談 炊き出しでの医薬品配付

《コンサート》

講演会 コンサートでの事業紹介
講演会 コンサートでの事業紹介

団体名 NPOおかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ
事業名 「グリーフワーク」と「命の授業」を核にした地域における自殺対策モデルの構築事業
      〜遺族支援の水脈を介した近県ネットワークづくりに向けて

平成22年度活動内容の概要・成果

  1. 大切な人を失った方のための電話相談 50回(年末年始の2回を除く)開催
    毎週土曜日  10時〜16時  086−245−7831
  2. 分かち合いの会・グリーフミーティング
    自死、突然死等遺族対象 毎月第4土曜を原則として12回開催。
  3. 香川との広域連携
    NPO法人グリーフワークかがわとの遺族電話相談、グリーフミーティングのあり方について講師を招いて意見交換会を持った。岡山で2回の後、香川に出向いて1回という相互交流。
  4. 保健所との連携
    8月18日 倉敷市保健所・庁内外連絡会議
    8月19日 美作保健所・地域連絡会議
    9月10日 美作保健所・自殺対策シンポジウム
    1月12日 県内関係機関連絡調整会議(県精神保健福祉センター)  
  5. 企業との連携
    Liveon代表の尾角光美さんを講師に4回勉強会を開催。 
  6. 命の授業
    NPOメンバーによる体験談の中で、学校や地域において、大切な家族を事件・事故だけでなく、自殺や突然死でなくした子どもたちが必ずいることを伝え、理解し、見守り支えてほしいというメッセージを伝えている。

団体名 NPO法人 心に響く文集・編集局
事業名 自殺企図者の命を救うための「人命救助」

平成22年度活動内容の概要・成果

【事業1】福井県・東尋坊をパトロールし、自殺企図者の発見と保護活動

4月5人 5月6人 6月9人 7月6人 8月9人 9月7人 10月3人
11月5人 12月4人 1月6人 2月5人 3月7人     合計 72人

【事業2】自殺企図者の一時保護活動

一時緊急避難所を借り受け、再出発するまで間の支援を行う。
4月2人 5月7人 6月7人 7月5人 8月8人 9月5人 10月7人
11月4人 12月4人 1月2人 2月4人 3月7人     合計 62人

【事業3】自殺企図者の悩み事を解決するための同伴支援と「集い」の開催

東尋坊で遭遇した人の悩み事を解決するために県外まで派遣し、家庭訪問、職場訪問、関係機関へ行く同伴活動を行った外、全国各地で悩んでいる人との「集い」「講演会」を開催した。

【事業4】シェルターネットワークのフォーラムを開催

11月5日、東京・日本財団大会議室で約100名の参加者を集めてシェルターネットワーク作りのためのフォーラムを開催した。

団体名 NPO法人多重債務による自死をなくす会コアセンター・コスモス
事業名 自殺対策うつ病研修会IN神戸

平成22年度活動内容の概要・成果
自殺対策うつ病分科会IN神戸を開催しました。参加者は約130名でした。
精神科に通院されていても一向に良くならないとおっしゃる方々が実に多いことからうつ病と向き合う姿勢を考えたいと思い開催することに致しました。
最初に秋田大学医学部長の本橋豊先生の基調講演「自殺対策に今必要なこと」と題してご講演をお願いし、現在の自殺対策の現状をご報告頂きました。第1分科会では、医療法人カメリア大村共立病院副院長の宮田雄吾先生に「うつ病の基礎知識について」、第2分科会では、慶応義塾大学教授大野裕先生に「認知療法の重要性について」、第3分科会では杏林大学教授の田島治先生に「うつ病治療薬の基礎知識について」それぞれご講演をお願いしました。
第1分科会では宮田先生より、臨床の現場で行われている評価に基づき、定型うつ病の診断基準、非定形うつ病の治療方法やうつ病を再発させないための心構えなどについてお話頂きました。第2分科会では、大野先生より今年認知行動療法が健康保険適用になったことを踏まえ、認知行動療法とは如何なる治療方法なのか、日本の精神科医療では認知行動療法は診察に時間もかかる割に診療報酬も低く消極的な動きもある中、同療法の重要性について話され、うつ・不安ネット(http://www.cbtjp.net/)を参考に分かりやすくご説明頂きました。第3分科会の田島先生は、うつ病の治療薬特にSSRIについて多剤・多量の処方がなされている精神科治療の問題点を指摘されました。様々な治療薬が10錠以上も処方されている現在の薬物療法に警鐘を鳴らされました。
どの分科会でも非常に重要なメッセージを講師の先生方から頂き、日本の精神科医療の問題点や課題など、忌憚のないご意見や提言を頂けたと思っています。
全体会では秋田大学の本橋先生より、精神科医の生物学的精神医学の勉強のみならず、社会的問題に対する精神科医の診断的、治療的研修が必要なのではないかとの問いかけに宮田先生は実際に実践されている観点から、医師のスキルアップが必要であることを話されました。
また、当事者や自死遺族の方から貴重なご報告もして頂きました。
当事者や自死遺族の声なき声から、精神科医療の問題点や専門家による被害が浮き彫りになってきたように思います。開催以降、相談にこられた方々も数人おられました。

研修会チラシ

研修会チラシ

団体名 鯖江こころの電話

平成22年度活動内容の概要・成果
 毎月1回の研修の幅を広げることを、本年度の○○課題と位置づけた。
厚労省より自殺防止対策事業として補助金を受けることができたことで、新たな研修、より深い学びができた。心の電話に訴えてくる人の相談に丁寧に対応することによって、自殺防止の第一歩である自殺企図者を生まないようにすることをまずやらねばならにこと考え、電話のかけ手にどのように応ずるかかけ手が次の一歩踏み出せるためにどんな働きかけができるかを学ぶことを目標に揚げた。

(1)「自殺は防止できるのだ」との持論を持つ自殺防止活動の第一人者渡邊直樹先生を関西国際大学に訪ね講演を聞いた。鯖江こころの電話相談員として何ができるか多くのお話を聞き納得した。その中でクライアントの悩みの深さをレベル1〜5に分類し、その1〜3までは相談員の資質向上で応えることができるが、レベル4・5については早く専門医の手に託すべきである等、相談員の心の中で整理できずにいたことを明解に指導していただいた。 写真(1) 6月15日 受講風景

(2)真野元四郎氏を講師に迎え、相談員だけでなく広く一般に市広報で受講を呼びかけた。相談員は電話対応について学び、一般参加者は身近に悩みを抱えている人にどう寄り添えるかを学んだ。写真(2) 7月6日  受講風景

(3)相変らず自殺名所となっている東尋坊の<ちょっと待っておじさん>こと 茂 幸雄氏を講師に迎え広報で受講を呼びかけた。まさに死を覚悟して海に飛び込もうとしている自殺企図者に対してどのように死を思い止まらせるか、救った後の対応はどのようにしているか切実な現場からの話を聞いた。「自殺企図者は誰一人死にたいと思っているのではない、助けて欲しいと心の叫びが私たちには聞こえるのです。」と訴えられ受講者全員の感動を呼んだ。一人一人がゲートキーパーとして世の中に目を向けて欲しいという内容であった。<鯖江こころの電話>として参加者全員にリーフレット・グッズ(ティッシュペーパー)を10個づつ預け“皆さんの手を借りたい”と呼びかけた。
東尋坊では未だに年間200人近い人が岩場に立ち、昨年は15人の命が海の藻屑と消えた。しかし茂さんの活動が始まるまでは年間25人の命が失われていた。 ようやく15人に減ったことは大きな成果であろう。参加者一同にこの現実を知ってもらうという目的は充分果たせた。
写真(3) 8月7日 講演風景 於 文化の館 多目的ホール

写真(1) 写真(2) 写真(3)
写真(1) 写真(2) 写真(3)
6月15日 関西国際大学にて
講師 渡邊直樹氏
「自殺防止へのカウンセリング」
7月6日 夢みらい館・さばえにて
講師 真野元四郎氏
「自殺企図者へどう向き合うか」
8月7日 文化の館(多目的ホール)にて
講師 茂 幸雄氏「死んだらあかん」
一般市民を対象に自殺防止講演会

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