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療養病床に係る診療報酬・介護報酬の見直しについて
平成15年3月の閣議決定の中で、「慢性期入院医療については、病態、日常生活動作能力(ADL)、看護の必要度等に応じた包括評価を進めるとともに、介護保険との役割分担の明確化を図る」こととされていました。 |
平成18年4月から、医療療養病棟の評価が引き下げられます。 |
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平成18年3月まで |
平成18年4月から |
療養病棟入院基本料1 看護職員5:1/看護補助者4:1 |
(若人)1,209点 (老人)1,151点 |
(若人)1,187点 (老人)1,130点 |
療養病棟入院基本料2 看護職員5:1/看護補助者5:1 |
(若人)1,138点 (老人)1,080点 |
(若人)1,117点 (老人)1,060点 |
平成18年7月から、医療療養病棟について、医療区分・ADL区分等に基づく患者分類を用いた評価が導入されます。 |
ADL区分3 |
885点 |
1,344点 |
1,740点 |
ADL区分2 |
764点 |
1,344点 |
1,740点 |
ADL区分1 |
764点 |
1,220点 |
1,740点 |
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医療区分1 |
医療区分2 |
医療区分3 |
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認知機能障害加算 5点
(医療区分2・ADL区分1の場合) |
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医療区分3:医療の必要性 高←───→医療区分1:医療の必要性 低
ADL区分3:日常生活自立度 低←─→ADL区分1:日常生活自立度 高 |
ADL区分1 |
ADL区分2 |
ADL区分3 |
ADL得点0〜10点 |
ADL得点11〜22点 |
ADL得点23〜24点 |
* |
ADL得点は、ベッド上の可動性、移乗、食事及びトイレの使用の4項目ごとに自立(0点)から全面依存(6点)までの得点を合計して算出します。 |
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医療区分3 |
【疾患・状態】
・スモン ・医師及び看護師による24時間体制での監視・管理を要する状態
【医療処置】
・中心静脈栄養 ・24時間持続点滴 ・レスピレーター使用
・ドレーン法・胸腹腔洗浄 ・発熱を伴う場合の気管切開、気管内挿管のケア
・酸素療法 ・感染隔離室におけるケア |
医療区分2 |
【疾患・状態】
・筋ジストロフィー ・多発性硬化症 ・筋萎縮性側索硬化症
・パーキンソン病関連疾患 ・その他神経難病(スモンを除く)
・神経難病以外の難病 ・脊髄損傷 ・肺気腫・慢性閉塞性肺疾(COPD)
・疼痛コントロールが必要な悪性腫瘍 ・肺炎 ・尿路感染症 ・創感染
・リハビリテーションが必要な疾患が発症してから30日以内 ・脱水
・体内出血 ・頻回の嘔吐 ・褥瘡 ・うっ血性潰瘍 ・せん妄の兆候
・うつ状態 ・暴行が毎日みられる状態
【医療処置】
・透析 ・発熱又は嘔吐を伴う場合の経管栄養 ・喀痰吸引
・気管切開・気管内挿管のケア ・血糖チェック ・皮膚の潰瘍のケア
・手術創のケア ・創傷処置 ・足のケア |
医療区分1 |
医療区分2・3に該当しない者 |
* |
上記「疾患・状態」及び「医療処置」には、それぞれ詳細な定義があり、これに該当する場合に限り、医療区分2又は3に該当することとなります。 |
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○ |
平成18年7月から、療養病棟入院基本料については、看護職員5:1/看護補助者5:1の配置が算定要件となります。 |
○ |
ただし、医療区分2・3の患者を8割以上受け入れている病棟は、看護職員4:1/看護補助者4:1の配置がない場合には、医療区分2・3の点数は算定できません。 |
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医師 |
看護職員 |
看護補助者 |
通常の医療療養病棟 |
1.25人(48:1) *病院単位の最低数3人 |
12人 (5:1の場合) |
12人 (5:1の場合) |
医療区分2・3が8割以上の病棟 |
1.25人(48:1) *病院単位の最低数3人 |
15人 (4:1の場合) |
15人 (4:1の場合) |
○ |
平成18年7月から、療養病棟については、特殊疾患療養病棟入院料及び特殊疾患入院施設管理加算が廃止され、患者分類を用いた評価が適用されます。 |
○ |
なお、一般病棟及び精神病棟については、平成20年3月31日まで、特殊疾患療養病棟入院料を算定することができます。 |
特殊疾患療養病棟入院料1 |
おおむね8割以上が脊髄損傷等の重度障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者又は難病患者等 |
1,980点 |
特殊疾患療養病棟入院料2 |
おおむね8割以上が重度の肢体不自由児(者)等の障害者(ただし、脊髄損傷等の重度障害者、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を除く) |
1,600点 |
特殊疾患入院施設管理加算 |
おおむね7割以上が重度の肢体不自由児(者)、脊髄損傷等の重度障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者又は神経難病患者等 |
350点 |
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* |
特殊疾患療養病棟入院料には、人工呼吸器を使用した場合の加算(600点)があります。 |
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○ |
平成18年6月30日時点において特殊疾患療養病棟入院料1を算定する病棟については、同時点において当該病棟に入院している患者であって神経難病等に該当する者については、平成20年3月31日までの間は、本来、医療区分1又は2に該当するところ、医療区分3に該当するものとみなすことを検討しています。 |
○ |
また、平成18年6月30日時点において特殊疾患療養病棟入院料2を算定する病棟については、同時点において当該病棟に入院している患者であって神経難病等に該当する者については、平成20年3月31日までの間は、本来、医療区分1に該当するところ、医療区分2に該当するものとみなすことを検討しています。 |
○ |
現行の重度心身障害児(者)施設及び指定医療機関、肢体不自由児(者)施設及び指定医療機関並びに進行性筋萎縮症者に係る指定医療機関(平成18年10月以降は障害者自立支援法に定める療養介護事業を実施する指定事業者を含む)の有する療養病棟であって、平成18年6月30日時点において特殊疾患療養病棟入院料1・2又は特殊疾患入院施設管理加算を算定する病棟については、当該病棟に入院する重度の肢体不自由児(者)又は知的障害者であって医療区分1に該当する者については、医療区分2に該当するものとみなすことを検討しています。 |
脊髄損傷、筋ジストロフィー、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病関連疾患((1)進行性核上性麻痺、(2)大脳皮質基底核変性症、(3)パーキンソン病(ホーエンヤール分類ステージIII度以上かつ生活機能障害度がII度又はIII度のもの))、ハンチントン病、多系統萎縮症((1)線条体黒質変性症、(2)オリーブ橋小脳萎縮症、(3)シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病((1)クロイツフェルト・ヤコブ病、(2)ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、(3)致死性家族性不眠症)、亜急性硬化性全脳炎、仮性球麻痺、脳性麻痺 |
平成18年4月から、介護療養型医療施設の評価が引き下げられます。 |
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平成18年3月まで |
平成18年4月から |
要介護度5 |
1,342単位 |
1,322単位 |
要介護度4 |
1,251単位 |
1,231単位 |
要介護度3 |
1,150単位 |
1,130単位 |
要介護度2 |
912単位 |
892単位 |
要介護度1 |
802単位 |
782単位 |
平成24年3月31日限りで、介護療養型医療施設に対する介護保険からの給付を廃止することが盛り込まれています。 |
平成24年3月31日までの間については、介護老人保健施設等への転換を念頭に置いて、在宅復帰・在宅支援機能の充実を要件として、医師、看護職員等の配置が緩和された類型を創設し、これに係る介護報酬を別途設定することについて検討しています。 |
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医師 |
看護職員 |
介護職員 |
通常の介護療養型医療施設 |
1.25人(48:1) *病院単位の最低数3人 |
10人 (6:1の場合) |
10人 (6:1の場合) |
経過型の介護療養型医療施設 |
0.625人(96:1) *病院単位の最低数2人 |
8人 (8:1の場合) |
15人 (4:1の場合) |
(参考) 介護老人保健施設 |
1人 |
6人 (介護職員と 合わせて3:1の 2/7程度) |
14人 (看護職員と 合わせて3:1の 5/7程度) |
○ |
今回の診療報酬・介護報酬の同時改定は、医療保険と介護保険との役割分担の明確化を目指しているものです。 |
○ |
患者の状態に応じて病棟間で適切な移動を行うなどして、病棟の性格を明確にしていくことが考えられます。
・ |
医療の必要性が高い患者 → 医療療養病棟へ |
・ |
医療の必要性は低く、介護の必要度が高い患者 → 介護老人保健施設等へ |
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患者一人一月当たりの報酬額【60床の病棟の例】(単位:万円) |
(注) |
「医療療養(改定後)の比率は、医療区分1:医療区分2・3の比率 |
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医療療養 (改定前) |
医療療養(改定後) |
介護療養 (改定前) |
老健 (改定前) |
2:8 |
3:7 |
4:6 |
5:5 |
6:4 |
7:3 |
8:2 |
49 |
51 |
49 |
47 |
46 |
44 |
42 |
40 |
43 |
34 |
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○ |
医療療養病棟について、経過的に、「患者の状態に合わせて、医師、看護職員等の配置を薄くする」という選択肢も設けることとしています。 |
○ |
具体的には、平成18年6月30日時点において療養病棟入院基本料等を算定している病棟については、医療区分1の患者を6割以上入院させている場合には、平成24年3月31日までの間は、介護老人保健施設等への移行準備計画の提出を要件として、医師、看護職員等の配置が緩和された類型を創設し、療養病棟入院基本料の算定を認めることを検討しています。
* |
医師、看護職員等の配置が薄くなることに伴い、3ページに掲載されている療養病棟入院基本料の点数を低くするものではありません。 |
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医師 |
看護職員 |
看護補助者 |
通常の医療療養病棟 |
1.25人(48:1) *病院単位の最低数3人 |
12人 (5:1の場合) |
12人 (5:1の場合) |
介護保険移行準備病棟(仮称) |
0.625人(96:1) *病院単位の最低数2人 |
8人 (8:1の場合) |
15人 (4:1の場合) |
○ |
同一の療養病棟の中で、経過的に、医療保険と介護保険との双方から給付を受けることができる取扱いを拡大し、「患者の状態に合わせて、より適切な方から給付を受ける」という選択肢も設けることとしています。 |
○ |
具体的には、平成21年3月31日までの間については、
(1) |
医療療養病棟の中の一部の病室について、都道府県介護保険事業支援計画におけるサービス見込量の範囲内で介護保険の指定を受けて、介護保険から給付を受けること |
(2) |
介護療養型医療施設の病棟の中の一部の病室について、介護保険の指定を外し、医療保険から給付を受けること |
を一定の要件の下に可能とすることを検討しています。 |
【(1)の活用例】
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現在の医療療養病棟の中の、医療の必要性は低いが介護の必要度は高い患者について、介護保険から給付を受けることが可能となります。 |
【(2)の活用例】
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現在の介護療養型医療施設の病棟の中の、医療の必要性が高い患者について、医療保険から給付を受けることが可能となります。 |
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○ |
医療の必要性が低く、また、介護の必要度も低い患者が多数入院しているなどの事情がある場合には、今回の診療報酬・介護報酬の同時改定を受けて、一時的な資金不足が生じることも考えられます。 |
○ |
このような場合に、独立行政法人福祉医療機構の経営安定化資金(長期運転資金)の融資を受けることができるよう、検討しています。 |
【償還期間・据置期間】 |
5年以内、特に必要と認められる場合は7年以内(うち据置期間1年以内) |
【資金使途】 |
一時的な特殊要因等により生じた資金不足を解消するために必要な資金繰り資金、経営改善のために必要な資金 |
【融資限度額】 |
病院:1億円、診療所:4,000万円 |
【経営診断】 |
原則として機構の経営診断・指導を受けていただきます。 |
【担保】 |
原則として、提供していただきます。なお、融資の対象となる建物・敷地に加えて、診療報酬債権等を担保(診療報酬月額等の2倍以内)としていただくことが可能です。 |
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○ |
今回の診療報酬・介護報酬の同時改定や療養病棟の転換等について、分からないことがあれば、都道府県、地方厚生局、地方社会保険事務局等で、いつでも個別に相談に応じます。 |
○ |
厚生労働省からは、都道府県、地方厚生局、地方社会保険事務局等を対象に、療養病棟に係る診療報酬・介護報酬の見直し等について説明会を開催しているほか、最新の情報を随時情報提供しています。 |
○ |
また、仮に、都道府県、地方厚生局、地方社会保険事務局等で回答しきれない事項があれば、厚生労働省に確認した上で、しっかりと回答される体制を整備しています。 |
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