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熱中症による死亡災害発生状況(平成21年分)について

基安労発0610第1号

平成22年6月10日

都道府県労働局労働基準部

労働衛生主務課長 殿

厚生労働省労働基準局

安全衛生部労働衛生課長

(公印省略)

熱中症による死亡災害発生状況(平成21年分)について

熱中症の予防については、平成21年6月19日付け基発第0619001号「職場における熱中症の予防について」に基づく新たな対策(以下「対策」という。)が示されているところであるが、平成21年の熱中症による死亡災害の発生状況について別紙1及び別紙2のとおり取りまとめたので、これを踏まえ、関係事業場等に対する対策の的確な指導に遺漏なきを期されたい。


別紙1

熱中症による死亡災害発生状況

1 熱中症による死亡者数の推移(平成12年〜21年分)

(1)平成21年の熱中症による死亡者数は8人(前年比9人減)となり、大幅に減少した。
なお、平成21年の夏(6月〜8月)の天候については、気温は全国的に平年並であり、日照時間も沖縄・奄美では平年並みであったものの、北日本でかなり少なく、東日本・西日本にかけて少なかった(気象庁報道発表資料より)。

(2)過去10年間(平成12年〜21年)の熱中症による死亡者の合計は181人であり、平成20年までは毎年20人前後の死亡者が発生していたが、平成21年は死亡者が10人を下回った。

熱中症による死亡者数の推移(平成12〜21年分)
年(平成) 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
18 24 22 17 17 23 17 18 17 8 181
熱中症による死亡者数の推移(平成12〜21年分)

2 業種別発生状況(平成19年〜21年)

過去3年間の業種別の発生状況をみると、建設業が多く全体の約6割を占めている。

業種別発生状況(平成19年〜21年)
業種 建設業 運送業 警備業 製造業 林業 その他 計(人)
平成19年 10 1 2 2   3 18
平成20年 9     5   3 17
平成21年 5 1 1 1     8
計(人) 24 2 3 8   6 43
業種別発生状況(平成19年〜21年)

3 作業開始からの日数別発生状況(平成19年〜21年)

過去3年間の作業開始からの日数別発生状況をみると、全体の約8割が1週間以内に発生している。

作業開始からの日数別発生状況(平成19年〜21年)
作業日数 初日 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 10日目
以降
計(人)
平成19年 3 5 3 2 1   1     3 18
平成20年 3 3 2 2 1 1   1   4 17
平成21年 4 1 1     1       1 8
計(人) 10 9 6 4 2 2 1 1   8 43
作業開始からの日数別発生状況(平成19年〜21年)

4 月・時間帯別発生状況

(1)月別発生状況(平成19年〜21年)

過去3年間(平成19年〜21年)の月別発生状況をみると、7月及び8月に全体の約9割が発生している。

月別発生状況(平成19年〜21年)
6月 7月 8月 9月 計(人)
平成19年 2 3 11 2 18
平成20年 2 12 3   17
平成21年   1 7   8
計(人) 4 16 21 2 43
月別発生状況(平成19年〜21年)
(2) 時間帯別発生状況(平成19年〜21年)

過去3年間(平成19年〜21年)の時間帯別発生状況をみると、午後1時台から午後5時台の間に約8割が発生し、特に午後3時台から午後4時台に多発し、全体の約4割が発生している。

時間別発生状況(平成19年〜21年)
時間帯 午前9
時以前
午前10
時台
午前11
時台
午後0
時台
午後1
時台
午後2
時台
午後3
時台
午後4
時台
午後5
時台
午後6
時以降

(人)
平成19年 1   2   1 2 3 4 3 2 18
平成20年     1 1 2 3 4 3 3   17
平成21年       1 2 1   4     8
計(人) 1   3 2 5 6 7 11 6 2 43

(注)時間帯は、発生確認時間又は死亡推定時間である。

時間帯別発生状況(平成19年〜21年)

別紙2

平成21年の熱中症による死亡災害発生状況の詳細

番号 業種 年代 発生状況の概要
1 建設業 30歳代 被災者は、住宅新築工事現場での床の配筋作業に従事していたが、午後4時過ぎに倒れているところを発見され、その後死亡した。
2 建設業 40歳代

被災者は、住宅増築工事現場での屋根の板張り作業に従事していたが、午後2時過ぎに体調不良を起こし、その後死亡した。

3 建設業 10歳代

被災者は、倉庫の屋根塗装工事における足場の解体作業に従事していたが、午後1時過ぎに体調不良を起こし、その後死亡した。

4 製造業 40歳代 被災者は、工場内におけるロボット溶接作業に従事していたが、午後4時過ぎにふらついているところを発見され、その後死亡した。
5 運送業 30歳代

被災者は、個人宅への配達補助業務に従事していたが、午後4時過ぎに体調不良を起こし、その後死亡した。

6 建設業 30歳代

被災者は、建物の新築工事現場における配筋作業に従事していたが、午後0時過ぎに倒れ、その後死亡した。

7 警備業 40歳代 被災者は、汚水管埋設工事現場における交通誘導作業に従事していたが、午後1時過ぎにふらついているところを発見され、その後死亡した。
8 建設業 20歳代

被災者は、住宅新築工事現場における足場組立作業に従事していたが、午後4時過ぎに体調不良を起こし、その後死亡した。

上記8人のうち、

1 7人については、WBGT値の測定を行っていなかった。

2 全員について、計画的な熱への順化期間が設定されていなかった。

3 全員について、自覚症状の有無にかかわらない定期的な水分・塩分の摂取を行っていなかった。

4 4人については、糖尿病等の熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾病を有していた。(疾病の影響の程度は不明)。

5 2人については、体調不良、食事の未摂取又は前日の飲酒があった。その他、2人については、被災前日まで疾病にて休業していた。

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