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3 一酸化炭素による中毒等(令和元年)

発生月 業種 被災状況 原因物質 発生状況 発生原因
1月 畜産・水産業 中毒6名 一酸化炭素 屋内作業場で漁網の整備作業を行っていた。作業者8名が煙突付き廃油ストーブの周りで20分程休憩していたところ、うち6名が頭痛、目眩を訴え、診療所で一酸化炭素中毒と診断された。当該廃油ストーブから漏れた不完全燃焼により発生した一酸化炭素にばく露したことが原因であった。換気扇、給気口等はなく、窓は常に締め切っており、シャッター、扉も、朝から開けることはなかった。当該ストーブは、機械的に制御して不完全燃焼を抑制するものでなかったため、不完全燃焼により発生した一酸化炭素が漏洩したと思われる。 リスクアセスメント未実施
安全衛生教育未実施
換気・排気装置未設置
1月 自動車・同付属品製造業 中毒1名 一酸化炭素 被災者は、早朝までの勤務を終え事業場の駐車場に止めた車へ移動したが、除雪作業が追い付かず、雪で駐車場や車が覆われていたため、エンジンをかけ暖を取りながら車内で待機していた。その後、管理者が被災者を発見・通報し、駆けつけた救急隊により、死亡が確認された。車のマフラーが雪に埋もれていたため、排気ガスがエアコンの吸気口から車内に入ったと推定される。なお、運転席と助手席の窓は約3分の1開いていた。 作業者の危険有害性認識不足
作業主任者・管理責任者等の指示内容の不備
3月 商業 中毒4名 一酸化炭素中毒 石釜の熱源であるガスバーナーを点火した後、パン仕込み作業を行っていたところ、近くで パンの包装作業を行っていた被災者1名が意識を失って倒れ、また、仕込み作業を行っていた被災者2名と共に救急搬送された。さらに、他の1名 の被災者も受診したところ、4名全員が一酸化炭素中毒と診断された。建屋内から石窯内部に通じる通風口が断熱材により塞がっていたことから、燃焼に必要となる空気量が不足していたことにより一酸化炭素ガスが発生していたものと推定される。 リスクアセスメント不足
安全衛生教育未実施
装置・設備の管理不足・点検不備
装置・設備の点検基準未作成
検知・警報装置未設置
作業者の危険有害性認識不足
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
5月 建設業 中毒1名 一酸化炭素 スポンジチタン製造工程の排ガス処理配管に設置されたバルブの工事において、被災者がフランジのボルトをはずし、配管からバルブを切り離そうとしたところ、別の担当者が当該ライン上の他のバルブを閉め忘れたため、稼働中の別ラインで発生した排ガスが逆流噴射し、被災者が一酸化炭素中毒となったもの。作業場は、周囲に壁面はなく、外気に開放されている。被災者は塩素ガス漏洩を想定したハロゲンガス用・酸性ガス用防毒マスクを所持していたが、未着用であり、また、一酸化炭素漏洩は想定していなかったため一酸化炭素用防毒マスクは所持していなかった。 関係者間の連携・連絡体制不備
作業者の作業手順・指示等の不履行
作業主任者・管理責任者等の未選定
6月 道路建設工事業 中毒1名 一酸化炭素 マンホールの取替修繕工事において、被災者は、幌付きトラックの荷台上でLPガスコンロを使用して目地材の加熱溶解作業を行った。目地材を加熱したままトラックを離れ、別の作業を行っていたところ、荷台から白煙が上がったため消火活動を行った。その後、被災者は意識朦朧となって病院へ搬送され、急性一酸化炭素中毒と診断された。トラック荷台は後方の一面のみが開放されており、他は幌が被せてあるため、自然換気が十分な状態ではなかった。消火活動の際は、呼吸用保護具を着用していなかった。 SDSの内容未確認
適切な呼吸用保護具未着用
作業標準書・マニュアル未作成
緊急時マニュアル未作成
安全衛生教育不足
換気・排気装置未設置
装置・設備の管理不足・点検不備
作業環境管理不足
作業者の危険有害性認識不足
作業者の作業手順・指示等の不履行
作業主任者・管理責任者等の指示内容の不備
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
6月 トンネル建設工事業 中毒1名 一酸化炭素 水路トンネル内において、コンクリート壁の型枠の組立作業を行っていたところ、そばにあったエンジン式溶接機の排気を吸い込んで倒れ、搬入先の病院で急性一酸化炭素中毒と診断されたもの。呼吸用保護具は着用していなかった。送風機、吸気用風管は設置・稼働していたが、風がぶつかりあって、換気不十分であった可能性がある。 安全衛生教育不足
換気・排気装置の能力の不足
作業環境管理不足
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
作業中の一酸化炭素濃度測定未実施
6月 製造業 中毒7名 一酸化炭素 米の炊飯から冷却までを行う炊飯室、冷却室及びその付近において被災労働者7名が一酸化炭素中毒となった。災害発生時、雷による瞬間停電で換気装置の電源が落ちて停止・復旧しなかったため、炊飯器から発生する一酸化炭素が室外に排出できなくなったものと推定される。 緊急時マニュアル未作成
換気・排気装置の能力の不足
装置・設備の点検・管理体制不備
検知・警報装置未設置
6月 一般飲食店 中毒1名 一酸化炭素 ラーメン店で、ガス式餃子焼き器の着火不良、ガス炊飯器の着火不良が発生した。被災者が軽いめまいを感じたため、数十分ほど休憩し再び業務に戻ったが、被災者含め従業員3名全員に頭痛、めまいの症状が出た。交代で休憩して営業を続けたが、一般客が従業員の様子がおかしいことに気付き、救急に連絡、消防隊の調査により不完全燃焼による一酸化炭素中毒と判明した。 安全衛生教育未実施
換気・排気装置の能力の不足
装置・設備の管理不足・点検不備
装置・設備の点検基準未作成
検知・警報装置未設置
清掃不足
作業者の危険有害性認識不足
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
7月 接客娯楽業 中毒4名 一酸化炭素 店の厨房内において、店長代理が炭火台に練炭を継ぎ足す作業を行っていた。その際、労働者5名のうち4名が一酸化炭素中毒となり、体調不良を訴えたもの。被災後すぐに、被災者4名のうち3名は大学病院に搬送され、1名は勤務終了後、帰宅途中の車内において頭痛を訴え診療所を受診した。 作業標準書・マニュアル未作成
緊急時マニュアル未作成
安全衛生教育未実施
換気・排気装置の能力の不足
装置・設備の管理不足・点検不備
装置・設備の点検基準未作成
装置・設備の点検・管理体制不備
検知・警報装置未設置
作業主任者・管理責任者等の未選定
9月 一般飲食店 中毒7名 一酸化炭素 洗浄室において、宴会会場で使用した食器類を食器洗浄機等のガス機器で洗浄していた際、換気設備を稼働させていなかったため、室内の酸素濃度が低下しガスの不完全燃焼が起きた。洗浄室内で作業をしていた労働者7名が体調不良を訴え、病院を受診したところ、一酸化炭素中毒と診断された。 安全衛生教育未実施
換気・排気装置稼働なし
検知・警報装置未設置
関係者間の連携・連絡体制不備
作業者の危険有害性認識不足
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
9月 建設業 中毒1名 一酸化炭素 ずい道工事において、発破による掘削作業を実施。被災者ほか2名が入坑していた。入坑後約1時間で、シャフローダーを運転していた被災者が、気分が悪くなったと自ら坑外に出たため、掘削作業を中断し有害ガス測定を行ったところ、一酸化炭素濃度が許容濃度を超えていた。被災者は帰宅後に病院を受診、一酸化炭素中毒と診断された。坑内では内燃機を使用しておらず、有毒ガスが発生する地層ではなかった。なお、発破に使用した火薬は、後に発生するガスに一酸化炭素発生を抑えた製品であり、発生するガスは換気装置により排出される設計であった。 換気・排気装置の能力の不足
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
作業開始前の一酸化炭素濃度測定未実施
作業中の一酸化炭素濃度測定未実施

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