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1 有機溶剤による中毒等(令和元年)

発生月 業種 被災状況 原因物質 発生状況 発生原因
1月 製造業 爆発1名 トルエン タンク及び配管の洗浄作業において、トルエンを移送する作業中、移送後のタンクの状態を確認するため、マンホールを開放した時に、移送元タンク内のトルエン蒸気が、トルエンと移送用のテフロンホースの流体摩擦によって発生した静電気火花から引火、爆発・火災が発生した。被災者は顔面、頸部、両上肢に熱傷を負った。 適切な呼吸用保護具未着用
リスクアセスメント不足
作業標準書・マニュアルの不備
安全衛生教育不足
その他(静電気帯電)
1月 化学工業 中毒1名 メタノール 被災者はメタノールを含有する結晶塊をふるいにかけて細かい結晶にする作業を行っていたところ、急性メタノール中毒となり、目眩、吐き気を訴えたもの。被災者は防毒マスク、保護メガネ、保護手袋、防塵服を着用していたが、防毒マスクの破過時間は計算しておらず、被災者の判断に任せ40〜50分ごとに吸収缶の交換を行っていた。換気装置は設置されていたが、被災当日は稼動していなかった。 リスクアセスメント不足
安全衛生教育未実施
換気・排気装置未設置
作業環境管理不足
作業主任者・管理責任者等の未選定
2月 製造業 中毒1名 メチルエチルケトン 製造室内で使用期限切れのインクジェッター用のインクカートリッジを廃液用ポリ容器に移していた際に、インクをこぼしてしまい、約30分、溶剤を使用してインクの拭き取り作業を行った。その間、同室内の10数m離れた場所で別の作業を行っていた被災者が、翌日に頭痛を申し出たため、病院で診察を受けたところ、有機溶剤中毒と診断された。作業場の換気設備は稼働していた。 適切な呼吸用保護具未着用
リスクアセスメント未実施
緊急時マニュアル未作成
安全衛生教育未実施
換気・排気装置の能力の不足
作業環境管理不足
作業者の危険有害性認識不足
作業主任者・管理責任者等の未選定
6月 保健衛生業 中毒1名 トルエン 障害者就労支援施設内のトイレから異臭が発生したため、被災者が1時間に1回のペースで換気や異臭確認を行っていたところ、喉のつかえや咳、頭痛などの症状が発生した。終業後も体調が回復しないため、病院を受診、急性トルエン中毒と診断された。当該施設は、部品加工(接着)業務を請け負っており、業務に使用する接着剤としてトルエンが使用されていた。トイレ内に廃棄されていたトルエンを主成分とする化成品が原因と考えられる。トイレは窓を開放し、換気扇を稼動させていたが、マスク等は着用していなかった。 SDSの未入手
緊急時マニュアル未作成
安全衛生教育未実施
作業環境管理不足
関係者間の連携・連絡体制不備
作業主任者・管理責任者等の未選定
作業主任者・管理責任者等の指示内容の検討不足
10月 無機・有機化学工業製品製造業 中毒1名 トルエン 被災者は、反応缶を用いて製造する品種の切替作業のため、上部蓋を開放した上で缶内部に入り、トルエンを用いて缶の内壁の払拭・吹き上げ作業を行っていたところ、意識を消失し、救急搬送された。缶は上部を開放したのみで他に通風箇所は無かった。 適切な呼吸用保護具未着用
安全衛生教育不足
換気・排気装置稼働なし
作業者の危険有害性認識不足
作業者の作業手順・指示等の不履行
作業主任者・管理責任者等の指示内容の不備
作業主任者・管理責任者等の指示内容の検討不足
作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足

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