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4 その他の化学物質による中毒等(平成29年)
発生月 | 業種 | 被災状況 | 原因物質 | 発生状況 | 発生原因 |
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2月 | 可塑物製品製造業(6104) | 中毒1名 | 1-ブロモプロパン | 被災者は、自動車部品の塗装に使用する養生用治具の洗浄に従事していた。1-ブロモプロパンを80%含有する洗浄液への養生用治具の含浸と、取り出し後のブラシを使用した治具の洗浄及びエアーブローによる乾燥作業を行っていたところ、事業場において吐き気を申し出、後日、有機溶剤中毒と診断された。作業場に局所排気装置は設置されていなかった。 | 適切な呼吸用保護具未着用 保護具の管理不足 危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分 換気不十分 |
7月 | めっき業(5501) | 中毒1名 | 二酸化窒素 | 工場内の無電解ニッケルめっきラインのめっき槽洗浄工程において、めっき槽の洗浄に使用した硝酸3,000リットルを硝酸貯蔵槽に移送するため、バルブを開けようとしたところ、誤ってめっき予備槽に送るバルブを開けたため、ニッケルめっき液の入っためっき予備槽及びめっき廃液地下ピット内に硝酸が流れ込み、大量の二酸化窒素が発生し、めっき廃液地下ピット及び屋外煙突から流出し、工場内で作業を行っていた労働者が二酸化窒素中毒になった。 | 作業手順書改訂の未実施 安全衛生教育不十分 危険有害性の認識不足 リスクアセスメント未実施 |
7月 | 映画の製作、演劇等の事業(9418) | 中毒16名 | エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート | スタジオ内においてテレビ用コマーシャルの撮影作業をしていたところ、スタッフ32名のうち16名が、同日の昼から夜間にかけ、のどの痛み、咳、発熱、全身の倦怠感などの症状を訴え、救急搬送された。病名は全員「ガス中毒」であった。当日は、撮影の準備作業として、午前7時から床面を水性塗料で塗装する作業を行い、9時から11時まで塗装を乾燥させた後、11時からの撮影時にはスタジオを締切りにし、換気の悪い状態で作業を行っていた。 | 換気不十分 安全衛生教育不十分 危険有害性の認識不足 |
8月 | 動物の飼育若しくは畜産の事業又は養蚕の事業(9502) | 中毒1名 | ジメチル=2,2,2-トリクロロ-1-ヒドロキシエチルホスホナート(別名:トリクロルホン) | 被災者は農場の鶏舎内において、動力噴霧機を用いて有機リン系殺虫剤の散布作業を行っていた。上下雨具、長靴、ヘルメット、防じん用保護メガネ、不織布製のマスク、塩ビ製の手袋を着用していたが、手袋や雨具袖口の内部に殺虫剤溶液が浸み込み前腕部分やマスクに付着した。午後6時頃、体調に異変を感じたが、そのまま作業を継続し、午後6時30分頃、作業が終了した。その後、嘔吐等の症状が現れたため、家族とともに病院へ行ったところ、有機リン中毒の診断を受けた。 | 適切な呼吸用保護具未着用 SDSの未入手 安全衛生教育不十分 危険有害性の認識不足 |
9月 | その他の産業機械器具卸売業(5419) | 中毒1名 | 二酸化炭素 | 被災者は、社用車の後部荷物室に新聞紙で包んだドライアイス174 kgを積み運搬していたところ、気化した二酸化炭素が車内に充満し呼吸困難となった。事業所駐車場に戻った時点で意識が薄く、救急車で病院に搬送され、右小脳出血、急性二酸化炭素中毒、高血圧性脳内出血と診断された。 | 作業標準不徹底 換気不十分 危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分 |
9月 | 食料品製造業(4101) | 中毒1名 | 次亜塩素酸ナトリウム | 製造工場の通路において、次亜塩素酸ナトリウムを10〜12%含有するカビ取り用洗剤を使用して、通路の壁のカビ取り作業を行なっていた。汚れの落ちが悪いため、通常500倍に希釈して作業するところ、洗剤を希釈せずに原液のまま使用した。帰宅後、息苦しい等の症状が発生したため病院を受診したところ、次亜塩素酸ナトリウム中毒と診断された。 | 作業標準不徹底 危険有害性の認識不足 |
12月 | 機械(精密機械を除く)器具製造業 | 肺障害 1名 |
金属ヒューム | 当該事業場の検査工場において、タンク修理のため、別の作業者がタンクを横向きに寝かせた状態でタンクの外から溶断作業を行い、被災者がタンク内部にて防じんマスクを着用し、除じん装置を稼動させながら、溶断により発生する火花を受け止める作業を行なっていた。スポットクーラーで送風しながら作業をすすめたが、除じん装置の吸引量がおいつかず、金属フュームを吸引することにより肺障害を発症した。 | 適切な呼吸用保護具の未着用 作業標準不徹底 |
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