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2 特定化学物質による中毒等(平成27年)
発生月 | 業種 | 被災状況 | 原因物質 | 発生状況 | 発生原因 |
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1月 | 教育業 | 急性湿疹1名 | コバルト防錆剤(アミノエタノールアミン、トリエタノールアミン含有) | 包丁の製造工場において、被災者は、研磨作業においてコバルト含有合金などを防錆剤に浸す作業に従事していた。かゆみと湿疹が発症したため、受診したところ、コバルト防錆剤(アミノエタノールアミン、トリエタノールアミン含有)によるアレルギー湿疹であると診断された。 | 作業主任者の未選任 作業標準未作成 危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分 |
6月 | その他の各種建設業 | 死亡2名 | ジクロロメタン等 | 被災者2名は、エレベーター内部の塩ビシート剥離作業中に、扉を閉めた状態でジクロロメタンを含有する剥離剤の塗布作業を行い、急性有機溶剤中毒となった。2名ともエレベーター内部で倒れた状態で発見され、その後死亡が確認された。被災者は、有効な吸収缶を取り付けた防毒マスクを着用していなかった。 | 局所排気装置未設置 呼吸用保護具管理不足 作業標準不徹底 |
6月 | その他の電気機械器具製造業 | 中毒9名 | 塩素ガス | 廃液回収業者がタンクローリーで廃液を回収し、タンクローリー内で化学反応により発生した有害ガス(塩素ガス)により、付近で作業していた作業者9名が目やのどの痛みを訴えた。病院に搬送され、塩素ガス中毒と診断された。 | 危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分 |
7月 | ビルの総合的な管理等の事業 | 中毒1名 | 塩素ガス | 作業者が、病院敷地内の雑排水処理装置の滅菌剤貯留槽に次亜塩素酸ナトリウムを補充しようとしたところ、誤って、隣接している凝集剤貯留槽に入れるポリ塩化アルミニウムを入れたため、塩素ガスが発生した。一緒に処理に当たっていた被災者が塩素ガスを吸って心肺停止状態となり、その後蘇生した。 | 作業標準不徹底 設備の管理不足 安全衛生教育不十分 危険有害性の認識不足 |
10月 | 化学工業 | 中毒1名 | 硫化水素ガス | リン酸精製工程において、ろ過器のフィルターの交換作業を行った後、運転を再開したところ純水ポンプの異常が発生したため、作業者Aが純水タンクの上部マンホールを開けて水量を確認しようとしたところ、タンク内に混入していた硫化水素ガスを吸い込み意識障害等の中毒症状が発症した。同僚が新鮮な空気下に移動させて応急処置を施し、意識が回復した。その後、救急搬送された。 | 作業標準未作成 危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分 |
12月 | 停車場、倉庫、工場、道路等における貨物取扱いの事業 | 中毒2名 | 塩化水素ガス | 工場の受入ピット棟内手前のコンクリート床上にて、被災者Aがベンジルクロリド(塩化ベンジル)廃液が入っていた空の高密度ポリエチレン製ドラム缶3本の注入口にスチームガンを挿入して噴射した状態で、他の作業を行っていたところ、涙が出はじめ、息苦しくなりその後、気分が悪くなった。被災者Bも同じ作業を開始したところ、1〜2分後涙が出はじめた。水とベンジルクロリドが反応し、塩化水素が発生したものと推定される。 | 危険有害性の認識不足 安全衛生教育不十分 |
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