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2 特定化学物質による中毒等(平成23年)

発生月 業種 被災状況 原因物質 発生状況 (省略) 発生原因等
1月 洗濯、洗張又は染物の事業 死亡1名 硫化水素 清掃用具のクリーニングを行う事業場で、汚水処理設備の管理業務を行っていた作業者が施設内の一次処理槽内で死亡しているところを発見された。一人作業で原因は不明であるが、槽内に硫化水素が発生しており、これを吸収して転落、溺死したものと推定された。 危険有害性の認識不足
設備の管理不足
1月 有機工業製品製造業 死亡1名、中毒1名 硫化水素 屋外タンク内のアルカリ性廃液を中和処理するため硫酸を添加していたところ、同作業に詳しい作業者が離れた際に、被災者が大量に硫酸を添加したとみられ、大量に発生した硫化水素ガスを吸入して死亡した。戻った作業員は硫酸の手動弁を閉じ、その場を離れようとしたが意識を失った。 作業主任者の未選任
作業標準不徹底
安全衛生教育不十分
呼吸用保護具未着用
3月 上水道業 8104 中毒1名 硫酸 被災者は、発注側として硫酸貯蔵槽付属の除湿器の乾燥剤交換作業完了の確認に向かったところ、硫酸ミストを液化してタンクへ戻すミストセパレータから液化できなかった硫酸ミストが排気管を通って廃液ピット付近にある大気開放の配管出口から漏洩し、これを吸入して中毒となった。 設備の管理不足
換気不十分
5月 4703 有機工業製品製造業 中毒1名 ホスゲン MDI製造プラント設備内の溶媒を洗浄・抽出後、プラント内を窒素パージするため反応器配管付属ボール弁と窒素供給ホースを接続し、同ボール弁の閉止フランジのボルトを緩めたところ、弁内に滞留していたホスゲンを含む有毒ガスが漏れ出て、これをを吸引し、ホスゲン中毒、肺水腫となった。 呼吸用保護具未着用
作業標準不徹底
5月 隧道新設事業 3103 漏洩 硫酸 シールド工事の立坑基地の濁水プラントにおいて、中和槽へ希硫酸を搬送する配管の弁の動作不良で配管が破損し、管内の希硫酸が漏洩、防液堤の隙間から現場付近を流れる川に流れ込んだもの。 設備の点検不足
5月 溶解めっき業 5501 死亡1名 塩酸 工場内の排水処理施設の調整槽(めっき処理の排水のPH調整槽)において、配管に詰まったスラッジを除去するため、塩酸を入れて一晩放置し、排水してから調整槽に入り除去作業を行っていたところ、呼吸機能障害等により死亡した。 危険有害性の認識不足
作業主任者の未選任
6月 その他の電気機械器具製造業 中毒1名 塩素ガス 半導体配線基板製造ラインで薬液(塩酸及び過酸化水素)をポンプで排出後、残った過酸化水素水と塩酸を掃除機で別々に吸引しバケツへ移したところ、掃除機より塩素ガスが発生した。掃除機内で薬液が反応し、金属部品の触媒作用で塩素ガスが発生したものと思われる。ライン内の換気を行い、付近の作業者を避難させたが、うち4名が体調不良となった。 危険有害性の認識不足
6月 その他の建築事業 3506 中毒2名 アクリロニトリル 定期修理工事において、アクリロニトリルを入れていたタンク内部の清掃作業に、一週間従事していた労働者17名のうち、4名に手足の発疹等が出て、うち2名が休業した。 適切な保護具未着用
7月 有機工業製品製造業 4703 中毒1名 塩化水素 殺菌剤農薬を生成する途中の段階で、作業員の操作ミスにより塩酸ガスが発生・漏洩し、昼食の弁当を配達に来た食堂の従業員が塩酸ガスを吸入した。作業者は退避していた。 作業標準不徹底
危険有害性の認識不足
8月 ビルの総合的な管理等の事業 9301 中毒1名 塩素ガス ビル清掃の業務先の道具保管場所において、酸性のトイレ用洗剤を水道水で希釈を行うところ、近くにおかれていた塩素系の漂白剤を混ぜたため、塩素ガスが発生し、これを吸引して塩素ガス中毒による急性呼吸不全となった。 作業標準不徹底
安全衛生教育不十分
8月 ビルの総合的な管理等の事業 9301 中毒1名 塩素ガス ビルメンテナンスのため、旅館浴室の清掃作業中、塩素系カビ取り剤(亜塩素酸ナトリウムを主成分)散布後に酸性洗剤(塩化水素を主成分)を散布したところ、発生した塩素ガスを吸引した。すぐに高圧洗浄機で洗い流して作業を続けたが症状が悪化、ガス中毒による肺炎・敗血症となった。 危険有害性の認識不足
呼吸用保護具未着用
8月 各種機械装置の組立又はすえ付けの事業 3601 死亡2名 塩酸 タンクの移設工事において、塩酸が入ったタンク(強化繊維プラスチック製)の上で上部配管の切断位置等の確認中、天板が破れてタンク内に墜落した。同僚がタンク上のマンホール部で救助していたところマンホール周囲の天板が破れ、タンク内に墜落。2名とも外因性ショックで死亡した。 設備の管理不足
危険有害性の認識不足
9月 有機工業製品製造業 4703 漏洩 硫酸 硫酸濃縮プラントにおいて、生産調整のため硫酸濃縮槽(容量11m3)の運転停止作業を行っていたところ、槽に破孔が生じて炉内の下部へ硫酸が漏出、炉熱によりガス状の硫黄酸化物へ熱分解され、その一部が大気中の水分によって硫酸ミスト(白煙)となり工場内外へ拡散した。 設備の点検不足
9月 電子管又は半導体素子製造業 5705 中毒13名 フッ化水素 半導体製造工程に設置してあるパイロットウエハ(基板)のエッチング工程において、酸化皮膜を剥離するためのフッ化水素酸が槽から漏れ出し、メッシュ状の床及び床下へ広がった。警報を聞いてブースへ行き漏洩したフッ酸の処理を行った作業者13名が被災した。 設備の点検不足
適切な保護具未着用
作業主任者の未選任
9月 その他の化学製品製造業 4709 中毒4名 硫酸ジメチル 医薬品中間体製造工程の硫酸ジメチルの滴下作業で、各槽と配管をつなぐフレキシブルホースを継手で接続し、槽を加圧してバルブを順次開いたところ、4つめのバルブを開いた際に継手から硫酸ジメチルが漏出。防毒マスク及び保護メガネを着用してモップで拭き取り、重曹で中和処理した3名の目が充血したほか、保護具を着用して後片付けを行った別の3名中1名の腕に水疱を発症した。 設備の管理不足
危険有害性の認識不足
10月 橋りょう建設事業 3503 中毒3名 硫酸 廃液(塩酸、硫酸含有)を圧送するポンプの配管フランジのパッキン交換のため固定ボルトを取り外していたところ、自動運転中となっていたポンプが作動し、フランジの継ぎ目から吹き出した廃液を隣接するポンプを修理中の3名が浴び被災した。 設備・機器の点検不足
10月 清掃業 9101 漏洩 硫酸 中和処理用の希硫酸を地上タンクから屋上タンクへ供給する作業で、地上タンク付近のポンプ一次側と二次側のバルブ2ヶ所のうち二次側バルブを開け忘れてポンプを起動したため配管(塩化ビニル)が破裂し、約1500Lの希硫酸が飛散、漏洩した。隣接道路通行者3名が軽傷を負った。 作業標準不徹底
設備の点検不足
10月 コンクリート製造業 6601 漏洩 硫酸 生コンクリート製造事業場において、アルカリ排水の中和に使用する希硫酸を大型タンクから小型タンクに移すため、接続している配管のバルブを開栓したところ、別の作業のため現場を離れている間に満タンになった小型タンクから希硫酸があふれ出し、近くの川に約1000Lが流出した。 作業標準未整備
10月 [1]派遣先:食料品製造業 【包装漬物(キムチ、福神漬け等)の製造】
[2]派遣元:派遣業
[1]中毒2名、[2]中毒2名 塩素ガス 漬物製造工場の野菜洗浄室で清掃中、立て掛けておいた鉄製ガイドが倒れ、塩酸タンクと隣接した次亜塩素酸ソーダタンクのバルブに激突・破損した。その際バルブの根本が緩み、漏出した塩酸と次亜塩素酸ソーダが混触・反応して塩素ガスが発生し、4名がガスを吸引し被災した。 設備の管理不足
危険有害性の認識不足
10月 電気設備工事業 中毒4名 塩素ガス 四塩化チタン製造を行う工場においてサイロ設備の配管等撤去作業中、異臭と喉の異常を訴えた。25m離れた四塩化チタン製造設備の不調により、煙突から排出されていた塩素ガスを含んだガスを吸入したため。 設備の点検不足
危険有害性の認識不足
11月 一般製材業 4401 中毒1名 臭化メチル 製材業の工場内土場において、4人の作業者が輸入木材にビニールシート(天幕)を被せて臭化メチルによる天幕燻製作業(目張り、投薬作業等)を行ったところ、1人が同日夜間、全身麻痺や呼吸困難となり臭化メチル中毒と診断された。 危険有害性の認識不足
呼吸用保護具未着用
12月 医療保健業 9424 中毒1名 塩素ガス 特別養護老人ホームの更衣室床面の清掃作業のため、前日に洗剤(次亜塩素酸ナトリウム含有)を散布した。当日、床面に溶液が残って塩素臭がしたためデッキブラシで清掃していたところ、ブラシに付着し残っていたと思われる酸性洗剤と反応して塩素ガスが発生し、中毒となった。 作業標準不徹底
安全衛生教育不十分

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