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1 有機溶剤による中毒等(平成23年)
発生月 | 業種 | 被災状況 | 原因物質 | 発生状況 (省略) | 発生原因等 |
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2月 | 建設設備工事業 | 死亡1名、中毒1名 | 有機溶剤 | 社会福祉施設のスプリンクラー設備設置工事において、新設するポンプ室地下貯水槽(2.3m×2.8m×深さ最大2.93m)の内壁の防水塗装作業を2名で行っていたところ、塗料に含有していた有機溶剤を吸入、意識不明の状態となって1名が死亡した。 | 呼吸用保護具未着用 設備・機器の点検不足 |
2月 | 卸売・小売業 | 中毒1名 | 有機溶剤 | 産業用容器のリサイクル販売の事業場で、ステンレス容器の出荷直前の検査で、インクの汚れを認めたため、酢酸エチルを含ませたウェスを持ってコンテナ内に入り払しょく作業を開始したところ有機溶剤を吸入し、意識を失い中毒となった。 | 呼吸用保護具未着用 |
2月 | その他事業 | 中毒27名 | 有機溶剤 | 複合商業施設内にある飲食店の内装工事を、有機溶剤含有の接着剤及びシンナーを用いて作業を行っていたところ、建屋内の他の事業場の労働者27名が頭痛、吐き気、めまい等の症状を訴えた。 | 換気不十分 壁のすき間等からの蒸気の漏えい |
5月 | その他の設備事業 | 中毒1名 | 有機溶剤 | 工場の排水処理の最終放流槽(円筒形タンク(上面全開放):深さ3m、内径2m)の内部の塗装作業で、塗料補充による作業中断後、塗り残しを手直しするため防毒マスクを着用せず、送風機による換気もせずにタンク内に入り、有機溶剤を吸入し中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 呼吸用保護具未着用 |
6月 | 既設建築物設備工事業 3801 | 中毒1名 | 有機溶剤 | 戸建て住宅(3LDK)の補修作業において、2階洋室の床、扉枠および1階リビング扉枠の補修作業を行っていたところ、シンナー(トルエン、酢酸エチル等含有)の容器を倒してこぼしてしまい、これを吸引し、中毒となった。 | 換気不十分 呼吸用保護具未着用 作業主任者の未選任 |
6月 | 派遣業 9121 | 中毒1名 | アルコール類 | 派遣労働者が、派遣先の太陽電池パネル製造の工場で、太陽電池パネルの汚れの除去・接着作業に従事していた。シリコン樹脂を塗布する塗布機の調子が悪かったため洗浄液(主成分エタノール、他にn-プロピルアルコール、イソプロピルアルコールを含有)を使用して清掃を行ったところ、ふらつき、意識障害を起こし、医療機関に搬送された。 | 作業標準不徹底 安全衛生教育不十分 |
8月 | その他の金属製品製造業又は金属加工業 5411 | 中毒1名 | ジクロロメタン | ネジの焼入れ、焼戻しを行う工場内において、バスケットに入れた製品を、ジクロロメタンの洗浄槽に出し入れする作業を行っていたところ、洗浄槽から発散し加熱されたジクロロメタンの蒸気を吸入し、中毒となった。 | 呼吸用保護具未着用 作業標準未遵守 |
8月 | 武器製造業 5609 | 中毒1名 | 有機溶剤 | 猟銃の部品を塗装する塗装ブース内において、局所排気装置から離れた場所で塗料の調合を行った後、塗装する部品を所定の場所へ取り付け中、有機溶剤を吸い込み、頭痛、吐き気を催し、急性中毒と診断された。 | 呼吸用保護具未着用 |
8月 | 燃料小売業 9801 | 中毒1名 | ガソリン | ガソリンスタンドの自動車整備場のピットにおいて、誤って給油されたガソリンを、事業主がディーゼルトラックの燃料タンクから抜き取っていたところ、ピット内で意識を失った。これを救出しようとした作業者も、意識を失った。 | 換気不十分 呼吸用保護具未着用 |
9月 | その他金属製品製造業又は金属化工業 | 中毒1名 | メタノール | 真鍮(黄銅)の金属板をレーザー加工機で切断するため両面にノンドロス液(メチルアルコール含有)を塗布する作業を約6時間行っていたところ、気分が悪くなり目の奥の痛みを生じて急性メチルアルコール中毒と診断され、加療後も視機能障害が残存した。 | 換気不十分 適切な保護具未着用 |
9月 | その他の事業 | 中毒3名 | 有機溶剤 スチレン |
防水工事中の作業者が、残った材料(防水剤と硬化剤を混ぜ合わせた硬化前のもの)の入った手缶をビニールで蓋をしてエレベーター内や施設内を持ち歩いたため、手缶内で材料の硬化が始まり反応熱により異臭等が発生した。施設内の他の労働者3名が体調不良を訴え、有機溶剤中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 |
10月 | 計量器、測定器又は試験器製造業 6001 | 中毒5名 | アセトン | 工場棟入口近くの有機溶剤置場において、灯油用の手動ポンプを使用して、アセトンを18L缶からプラスチック製500ml容器への小分け作業を行っていたところ、上司に呼ばれ灯油ポンプの開閉栓を開けたまま注入場所を離れたところ、床上には、約2Lのアセトンがこぼれ、屋内にアセトンが発散した状態となった。アセトンを拭き取った作業者と付近の作業者の5名が、その後喉の痛み等を訴え中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 呼吸用保護具未着用 |
11月 | 前各項に該当しない事業 9416 | 中毒1名 | ノルマルヘプタン及びフッ素樹脂 | 工場内にて洗車作業中、隣の作業スペースで行っていたオープンカーのホロに防水剤(ノルマルヘプタン、アセトン、フッ素樹脂含有)を塗布する作業で発生したミストが工場内に対流したため、これを吸入して、喉の痛み、悪寒、胸苦しさなどの症状が出て肺水腫と診断された。 | 換気不十分 呼吸用保護具未着用 安全衛生教育不十分 |
11月 | その他の電気機械器具製造業 | 中毒4名 | 有機溶剤 | 電子基板のコーティング槽の管理において、パッキンが適正に装着されないまま機械の循環操作を行ったため、コーティング槽内のコーティング剤が床面に漏えいした。これにより発散した有機溶剤や、除去作業に使用したノルマルヘキサンが、換気のため窓を開けたときに、風下に拡散し、作業者4名が体調不良を訴えた。 | 設備の管理不十分 換気不十分 危険有害性の認識不足 |
12月 | その他の建築事業 3506 | 中毒3名 | 酢酸エチル | 工場の地下タンクの改修工事終了後、酢酸エチルを供給するためのノンシールポンプの試運転を行っていた。改修工事の作業者1名が当該ポンプの吸水口より呼び水を注ぎ込むため、吸水口を開け覗き込んだところ、作業者間の連絡調整ミスによりノンシールポンプが起動し、酢酸エチル2〜3Lが給水口から飛び出し、改修工事の作業者へ飛来し、被災した。 | 適切な保護具未着用 危険有害性の認識不足 |
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