一酸化炭素による中毒等(平成21年)
発生月 | 業種 | 被災者数 | 有害要因 | 発生状況 | 発生原因等 |
1月 | 廃油再生事業又は廃油処理工業(4712) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 事務所において、煙突のない廃油ストーブから発生した燃焼ガスの一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。なお、廃油ストーブ近くで一酸化炭素濃度は450ppmとなっていた。 | 換気不十分 |
1月 | その他の建設事業(3713) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 資材置場に設置している休憩小屋において、暖房用として木炭を燃焼して休憩していたところ、木炭の不完全燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
1月 | その他の建設事業(3506) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 消防用防火水槽簡易有蓋化工事において、開放型水槽内でコンクリート養生のために使用した練炭から発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
1月 | 飲食店(9802) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 飲食店において、厨房の清掃作業を行っていたところ、ガス給湯器の排気ダクト及び排気ファンに大量の油滓が付着し、さらに排気ダクトの一部に穴が開いていたため、ガス給湯器の排気量が不足し、不完全燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 設備・機器の点検不足 |
1月 | その他の石油製品又は石炭製品製造業(4716) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | カーボンブラックの製造設備において、製造したカーボンブラックを捕集するバックフィルターのダンパー補修作業を行っていたところ、バックフィルターのダンパーに通じる設備内に外気の流入を防ぐための仕切り板を設けなかったため、製造設備から流入した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 非定常作業の作業標準不徹底 |
1月 | 劇場・遊戯場その他の娯楽の事業(9419) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | スケート場において、スケートリンク壁際の氷を、サイドカッターで削る作業を行っていたところ、内燃機関を有するサイドカッターから排出された一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 |
2月 | その他の輸送用機械器具製造業(5805) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | エンジン制御室において、エンジン耐久試験の監視業務を行っていたところ、エンジン排気ファンの停止ボタンを間違って押したため、エンジン排気ファンが停止し、エンジン試験室に滞留した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒になった。 | 作業標準不徹底 |
3月 | 既設建築物設備工事業(3801) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 消火設備室の地下貯水槽において、水漏れ補修工事のため、防水剤の塗布の前に、水槽内床面をプロパンガスを燃料とするガスバーナーで乾燥する作業を行っていたところ、プロパンガスの燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 |
3月 | 隧道の改修、復旧若しくは維持の事業又は推進工法による管の埋没の事業(3702) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 農業用隧道において、発電機を動力源とした電動ドリルを使用してコンクリート天井のコア抜き作業を行っていたところ、隧道内の換気が不十分であったため、発電機から発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 |
4月 | 飲食店(9801) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 食堂の食器洗浄室において、食器洗浄作業をしていたところ、食器洗浄機のガスバーナーの燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
4月 | 各種機械装置の組立て又はすえ付けの事業(3601) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | ガス化炉設備の熱交換器内において、二次加熱器上部のエレメント用プロテクタのアーク溶接(TIG溶接)で火災が発生したため、水で消火を行ったところ、火災で発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 呼吸用保護具の未着用 |
5月 | 一般機械修理業(9011) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 給排気設備のガス設備定期保安点検において、湯沸かし器の検査を行ったところ、ガス配管から一酸化炭素ガス(0.17%)が漏れ、このガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 作業標準不徹底 |
6月 | 宿泊業(9803) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | ホテルにおいて、地下に設置された給湯用ボイラーを稼働させていたところ、当該ボイラーが不完全燃焼となり、当該ボイラーの排気管から客室に高濃度の一酸化炭素ガスが流出し、ホテル従業員、宿泊客が一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 設備の点検不足 |
6月 | 給水、給湯等の設備工事業(3801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 住宅の下水道工事において、建物内でエンジンコンクリートカッターを用いてコンクリートの切断作業を行っていたところ、コンクリートカッターの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 |
6月 | 卸業・小売業(9801) | 中毒8名 | 一酸化炭素 | 洋菓子製造販売店の厨房において、窓を締め、エアコンを作動させて、ガスオーブン(LPガス)を使用して洋菓子作りを行っていたところ、厨房内にガスオーブンの燃焼ガスが滞留し、滞留した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。厨房に設置されていた2台の換気扇のうち、1台が停止していた。 | 換気不十分 |
6月 | 医療保健業(9424) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 幼稚園において、LPガスコンロを使用して調理を行っていたところ、使用していたLPガスコンロの不完全燃焼によって一酸化炭素中毒が発生し、発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 設備の点検不足 |
7月 | 飲食店(9802) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 厨房において、フライヤーを用いてポテトフライ、オニオンリング等を調理していたところ、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
7月 | 飲食店(9802) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | 厨房において、フライヤーやグリドル等のガス器具を使用してハンバーガー、チキン、ポテト等の調理をしていたところ、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
7月 | パン又は菓子製造業(4107) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 店舗において、パン焼機を使用してパンの製造を行っていたところ、パン焼機(ガス釜)から発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 設備の点検不足 |
7月 | 清掃業(9101) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 廃棄物処理施設において、一次磁選機のベルトコンベアで火災が発生し、火災警報機が発報、建屋内に煙が充満した。この時、初期消火に当たった者が火災により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 緊急対応マニュアルの未整備 呼吸用保護具の未着用 |
7月 | 飲食店(9802) | 中毒5名 | 一酸化炭素 | クッキー等の菓子製造を行う厨房において、ガスオーブンで菓子を製造していたところ、ガスオーブンから発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。なお、作業中、換気を行っていなかった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
7月 | その他の食料品製造業(4110) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 食品工場において、ガス器具(ガスコンロ3台、スチームコンベクション2台)を使用し、調理作業をしていたところ、換気扇は作動していたが、窓は全部閉め切った状態だったので、換気が十分に行われず、工場内の酸素濃度が低下し、不完全燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
8月 | 卸売業・小売業(9801) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 給湯器の排気口において、測定器を用いて一酸化炭素濃度の測定を行ったところ、排気口から発散した一酸化炭素ガス(0.03%〜0.055%)を吸入し、一酸化炭素中毒となった。なお、測定時に呼吸用保護具は着用していなかった。 | 作業標準不徹底 呼吸用保護具の未着用 |
8月 | 宗教、法務(9416) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 資材倉庫において、フォークリフトを用いて在庫商品(肥料、農薬、農業用資材等)の配置替えを行っていたところ、フォークリフトの排気ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
8月 | 飲食店(9802) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 厨房において、開店準備作業を行っていたところ、屋上の排気口の火災延焼防止のダンパーが閉じており、燃焼器具の排気ガスの一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 |
10月 | 飲料製造業、その他の食料品製造業(4108、4110) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 工場の製品包装作業ラインにおいて、フライ製品製造ラインの連続式フライヤーの排気ファンが故障で停止していたため、フライヤーの不完全燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気不十分 設備の点検不足 |
10月 | 砂糖製造業(4106) | 中毒2名 | 一酸化炭素 | 炭酸ガスから燃焼ガスを分離・ろ過する装置の配管改修作業において、ガスワッシャーと配管が通じている石炭焼成炉で熱源として木材を使用していたところ、ガスワッシャーのバルブを取り外したまま作業を行っていたため、燃焼の際に発生した一酸化炭素が配管を通してバルブから漏れ出し、一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 非定常作業の作業標準不徹底 |
11月 | 既設建築物における建具の取付け、床張りその他内装工事業(3803) | 中毒3名 | 一酸化炭素 | ショッピングセンターの改装工事において、コンクリート床をガソリンエンジンカッターを用いて切断作業を行っていたところ、ローリングタワー上で柱のプラスターボードの壁紙を剥がす作業を行っていた者が、ガソリンエンジンカッターから排出された一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 換気が不十分な場所での内燃機関の使用 換気不十分 |
11月 | 自動車又は軽車両による貨物の運送事業(7203) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 1階の倉庫で火災が発生したため、消火作業を行い、火災が小さくなってきたことから、2階事務所に戻って事務所内に充満した煙を排出するため、窓を開けていたところ、事務所内に充満していた一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 緊急対応マニュアルの未整備 呼吸用保護具の未着用 |
11月 | 飲食店(9802) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 飲食店において、営業時間終了後換気扇を止め、カウンター内部に置かれた焼き鳥用の炭を片付けるため、炭を火消し壺に移す作業を行っていたところ、炭から発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気不十分 |
12月 | 警備業(9602) | 中毒1名 | 一酸化炭素 | 港内ゲートへの人の出入りを確認する警備作業において、駐車中の自動車内で七輪で豆炭を燃やし暖を取っていたところ、豆炭の不完全燃焼により発生した一酸化炭素ガスを吸入し、一酸化炭素中毒となった。 | 危険有害性の認識不足 換気が不十分な場所での燃焼器具の使用 |