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特定化学物質による中毒等(平成21年)

特定化学物質による中毒等(平成21年)

発生月 業種 被災者数 有害要因 発生状況 発生原因等
1月 理容・美容又は浴場の事業(9421) 中毒1名 塩素 機械室において、井戸水の不純物を凝集沈殿させるための溶液であるポリ塩化アルミニウムをポリタンクに注入しようとしたところ、誤って、次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入したため、ポリタンクに残存していたポリ塩化アルミニウムと混合して発生した塩素ガスを吸入し、塩素ガス中毒となった。 作業標準不徹底
安全衛生教育不十分
1月 工作物の解体、移動、取りはずし又は撤去の事業(3505) 中毒1名 塩素 焼却炉解体工事において、洗浄水処理設備周辺の片付け作業を行っていたところ、洗浄水処理用薬剤の次亜塩素酸ソーダとポリ塩化アルミニウムを同一薬剤と誤認し、両者をドラム缶に入れたため、塩素ガスが発生し、ガスを吸入し、塩素中毒となった。 非定常作業の作業標準不徹底
4月 その他の食料品製造業(0999) 中毒3名 塩素 おにぎりの製造工場において、おにぎり製造機の洗浄剤の次亜塩素酸ナトリム溶液(12%)がこぼれたものをそのまま放置していたところ、塩素ガスが発生し、塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 危険有害性の認識不足
4月 染色整理業(4205) 中毒1名 二酸化硫黄 染色槽において、反物の脱色のため、ハイドロサルファイト(次亜硫酸ナトリウム)を用いて90℃に加温し、20分ごとに染色槽の扉をあけて脱色の確認作業を行っていたところ、染色槽から発散した二酸化硫黄ガスを吸入し、二酸化硫黄中毒となった。 換気不十分
危険有害性の認識不足
5月 その他の食料品製造業(4110) 中毒7名 塩素 原料処理室において、カンファ水発生装置の次亜塩素酸ナトリウムの残量が不足し、警報が鳴り、ランプが点灯したため、発生装置の薬液の残量を確認したところ、希塩酸の残量が不足しているものと誤解し、誤って希塩酸を次亜塩素酸ナトリウムの容器に注入したところ、次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸が反応して発生した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 作業標準不徹底
5月 劇場、遊戯場その他の娯楽の事業(9419) 中毒3名 塩素 スイミングクラブの機械室において、プールの消毒用薬剤の次亜塩素酸ナトリウムを補充していたところ、ポリ塩化アルミニウム溶液(酸性)を誤って次亜塩素酸ナトリウム溶液のタンクに注入したため、タンク内の次亜塩素酸ナトリウム溶液との化学反応により発生した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。また、状況確認のため機械室に入った者も塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 作業標準不徹底
呼吸用保護具の未着用
5月 医薬品製造業(4707) 中毒1名 硫化水素 試験室において、硫化水素の発生に用いた三角フラスコを水道水とアルカリ性洗剤を用いて洗浄作業を行ったところ、三角フラスコから発散したガスを吸入し、硫化水素中毒となった。 危険有害性の認識不足
5月 その他の建築事業(3506) 中毒1名 硫化水素 製油所の水添脱硫装置の定期整備工事の事前準備作業において、水添脱硫装置が操業運転中にドラム上部に設けられたベントバルブの閉止フランジの取り外しをしていたところ、ベントバルブのハンドルが閉止方向に一杯まで回っていたが、硫化水素ガスが漏れたため、直ちにフランジボルトの締め直しを行ったが、漏れた硫化水素ガスを吸入し、硫化水素中毒となった。ドラム内容物は高濃度の硫化水素(濃度約97%)であった。 設備の点検不足
呼吸用保護具の未着用
5月 その他の建築事業(3506) 中毒1名 塩化ビニル、塩化水素 化学設備の点検工事において、クーラーの高圧水洗作業を行っていたところ、熱交換チューブから発散した1,2-ジクロルエタン、塩化ビニル、塩化水素の蒸気を吸入し、中毒となった。 作業連絡の不徹底
呼吸用保護具の未着用
6月 その他の設備工事業(3801) 中毒1名 アクリロニトリル アクリロニトリル=ブタジエンゴム製造プラントにおいて、定期検査工事の配管内部の洗浄作業のため、洗浄用ホースの配管を抜いたところ、配管内部に付着していたアクリロニトリルが蒸気となって発散し、この蒸気を吸入し、アクリロニトリル中毒となった。 非定常作業の作業標準不徹底
6月 無機・有機化学工業製品製造業(4702,4703) 大量漏えい 塩素 液体塩素タンク車充填場の設備改修工事において、既設設備の配管を切断し、新設計量設備の配管へ接続する作業を行っていたところ、既設設備の配管から塩素ガスが漏れ、液体塩素タンク車充填場に塩素ガスが漏えいした。 設備の点検不足
非定常作業の作業標準不徹底
6月 各種機械装置の組立て又はすえ付けの事業(3601) 中毒1名 塩素 駐車場において、次亜塩素酸ナトリウム入りポリエチレン袋容器(16リットル)が入れられた段ボール箱を移動していた際に、段ボール箱の底が抜け、ポリエチレン袋容器を床面に落下し、容器が破れて4リットルの次亜塩素酸ナトリウムが床面にこぼれたため、ウエスで次亜塩素酸ナトリウムのふき取り作業をしていたところ、発生した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 危険有害性の認識不足
呼吸用保護具の未着用
7月 飲料製造業(4108) 中毒1名 塩化水素 オリゴ糖の抽出工程において、ろ過装置のフィルターの洗浄液(水酸化ナトリウム溶液、アルカリ性)を中和処理するため、洗浄液の入った中和タンクに自動で塩酸を投入した際、投入される塩酸が自動で35%から5%の濃度に希釈されず、洗浄液がpH1.2と酸性となったため、フレーク状の水酸化ナトリウムを投入するため、中和タンクの上蓋を開けたところ、中和タンク内に発生していた塩化水素ガスを吸入し、塩化水素中毒となった。 危険有害性の認識不足
作業標準不徹底
呼吸用保護具の未着用
7月 理容、美容又は浴場の事業(9421) 中毒1名 塩素 浄化処理工程において、次亜塩素酸ナトリウム溶液をタンクに補充していたところ、誤って隣に設置されているポリ塩化アルミニウム溶液(酸性)のタンクに次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入したため、次亜塩素酸ナトリウムとポリ塩化アルミニウムとの化学反応により発生した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 作業標準不徹底
7月 卸業・小売業(9801) 中毒1名 塩素 鮮魚加工場において、冷蔵庫内の床面を塩素系洗浄剤で清掃を行ったところ、発生した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 危険有害性の認識不足
換気不十分
7月 有機工業製品製造業(4703) 大量漏えい 塩化水素 屋外に設置された塩酸タンクにおいて、タンクの底面に設けられた配管の付け根部分に生じた亀裂から、タンクに貯められていた塩酸(35%)が漏れ出し、大量に漏えいした。 設備の点検不足
8月 発電、送電、変電又は配電の事業(8101) 大量漏えい 塩化水素 イオン交換樹脂の再生のため屋外に設置された塩酸貯蔵タンク(容量2.00m3)の液面計(ガラス管)において、下部が破損し、大量の塩酸(塩化水素)が漏えいした。 設備の点検不足
8月 医薬品製造業(4707) 中毒3名 塩化水素 廃塩酸の保管タンクにおいて、再利用のために廃塩酸をタンクから製造ラインに供給・排出作業に取りかかったところ、タンクの排出管口部が蓄積したグルコミンサンにより塞がれていたため、タンクをエアーで加圧してグルコミンサンを除去しようとした際、大量の塩酸がタンク外へ流出し、発生した塩化水素ガスを吸入し、塩化水素中毒となった。 非定常作業の作業標準不徹底
設備の点検不足
8月 宿泊業(9803) 中毒1名 塩素 風呂場において、浴槽のカビと汚れを除去するため、酸性洗剤をスプレーし、2〜3分後に塩素系洗剤をスプレーしたところ、発生した塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 換気不十分
安全衛生教育不十分
10月 有機工業製品製造業(4703) 中毒2名 塩素 工業用抗菌剤のジクロログリオキシムの製造工程において、中間生成物の入った反応槽に液化塩素ボンベから塩素を吹き込む作業を行っていたところ、同ボンベの安全装置である可溶栓の可溶合金が液化塩素ボンベを加温していた熱により溶解し、塩素ガスが噴出し、工場内に漏えいした。この際、塩素ガスの噴出を止めようとして塩素ガスを吸入し、塩素中毒となった。 緊急対応マニュアルの未整備
呼吸用保護具の未着用
11月 特定貨物自動車運送業(4421) 薬傷2名 硫酸 濃硫酸(濃度98%)のドラム缶充てん作業において、タンクローリーよりホースを通じてドラム缶に移されるが、充てん作業の最終段階でタンクローリー内にある濃硫酸を全てドラム缶内に排出しようとして、タンクローリーよりホースに空気圧をかけたところ、空気圧によりホースが動き、これによりドラム缶の注入口のL字状ノズルが外れ、ノズルから噴き出した濃硫酸を浴び、薬傷を負った。 設備の点検不足
呼吸用保護具の未着用

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