タイ人従業員の日本国内での就労にあたって

　賃金、労働時間、退職、解雇等に関する労働条件や安全衛生については、日本人と同様、法令に適合した水準を確保しなければなりません。
　入国前に新たな労働契約を締結し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付してください。
　また、労働契約の内容によっては、日本国内で適用される就業規則や各種協定の変更手続きを行う必要が生じる場合もあります。
　タイ人従業員に係る労働災害を防止するために、その従事する業務に関する安全衛生教育を従業員本人が理解できる言語で行ってください。

• ※タイ人従業員用雇用契約書（PDF [140KB] Word [42KB]）がありますので、使用してください。
• ※日本で支払うタイ人従業員への賃金は、日本の受入れ事業所から、日本円で、支払日当日に受け取れる仕組みとしてください。

　上記以外の労働基準関係法令（労働基準法、労働安全衛生法等）を遵守するとともに、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針（平成19年8月3日厚生労働省告示第278号）に従い雇用管理を適切に行ってください。

　雇用対策法により、すべての事業主には外国人労働者を雇入れ又は離職の際には、当該外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等を、ハローワークへ届け出ることが義務づけられています。

　労働者災害補償保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険（年齢によっては介護保険）も対象となります。なお、これらの保険制度は各制度の加入条件を満たす場合には、強制適用ですので、必ず加入しなければなりません。タイ人従業員に対しても、これらの制度の内容を説明し、理解を得るように努めてください。

• ※厚生年金保険については、被保険者期間が6ヶ月以上の外国人労働者が帰国する場合、出国から2年以内に請求していただくと脱退一時金が支給されますので、その旨を周知し、年金事務所等の関係機関の窓口を教示するように努めてください。なお、タイ語のリーフレットがありますのでご活用ください。

　タイ人従業員については、日本語能力などが十分でないために、職場の日本人従業員との意思疎通が円滑にいかず、トラブルや事故の原因になることも考えられます。
　受入れ事業所は、就労の際の指示等を従業員本人が理解出来る言語でタイ人従業員に伝えられることが出来るようその言語を通訳できるスタッフを配置することが望ましいです。また、従業員本人が理解出来る言語で対応できる就労面、生活面等に関する相談窓口などを設けることが望ましいです。

　受入れ企業は、住居の確保に十分配慮し、家賃相場を踏まえた住居手当の支給、アパートの借り上げなどを行うことが望ましいです。なお、受入事業場が寄宿舎を新たに用意する場合は、事業附属寄宿舎規程等の関係法令を遵守することが必要です。